紅き音と願いの雨

みおん

幕間 それは新しい私の始まり

『絶望しているのなら、僕の手を取って。君を助けてあげる』

私よりも若いだろう少年は、そう言って私に手を差し伸べる。また裏切られる、同じ目に遭う。心のどこかでそう思っていたのは確かなのに、私はその手を取るように、自身の手を伸ばした。どんな結果でも、何故か彼のことを信じることが出来ると思ったのだ。

「…お願い…助けて」

ほぼ聞こえない程小さな声で私はそう呟く。でも彼はそれを聞き逃さなかったのだ。恐ろしい聴覚だ…。

『分かった…君を助けてあげる。』

彼は私の手を取ってくれた。私の目をしっかりと見据えて、微笑みかけてくれた。今はそれだけで、良かった。だって、彼のおかげで私は────。

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紅き音と願いの雨 みおん @mfmf_miochloe

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