書かないことで描くストーリー

ちょっと普通のレビューが書けそうにありません。主に原因は私。変なスイッチが入っているので多少の意味不明が含まれます。

この作品はすごいです。あくまで個人の感想ですが、淡白な主人公目線のためさほど書かれていない桐山水樹という人物のさり気ない描写ややり取りは上辺の会話にすぎない、かなり控えめと言えます。ところが場面場面の彼の心情(心の声)(割とガチなくそデカボイス)が私たちの脳に直接聞こえてくる仕様のようです。ユキ視点で読めてしまうのです。涼しい顔で微笑んでいるけれども。みたいな。すくなくとも私にとっては。

行間を読む、とはよくいいますがこれはもう行裏で読まさる。副音声がとまらない。

通常読みするともっと別の気持ちで読めますが、つい初見から二周目で楽しんでしまいました。