ファンタジー界からエルフ、日本古来の妖、宇宙人に陰陽師と実に賑やかなメンバーが「観光客のマナー」という解決しようない難題に挑戦してゆく。
(ネタバレで申し訳ないが) ここで出そうとしてる答えは「時」
例えば すでに始まってる高齢者問題、今すぐ如何にかする手段などある訳なく 今まで問題を先延ばしにしてきただけ。なら今できる事を積み重ねてみないか? そんなメッセージを筆者は発信したかったのかもしれない。
物語通して残念だったのが、全編通して唯一となる戦闘場面。中盤までトーク・バトルが魅力だっただけに、肉弾戦が物語の起承転結より軸をブラしてしまったような印象を受けてしまった。
主人公の恋愛模様がとても好感あったのも本作の魅力だが、テーマに戻し 解決に時間がかかるなら その後の展開を読んでみたいし、キャラの魅力出すなら戦闘編というも面白いと。良作には違いないので続編を楽しみに待っておこう。
オッサンオバサンホイホイ……。
ゴホン。
鬼が、妖怪が、そしてまさかの西洋ファンタジー御用達のエルフが、まさかまさかの京都のオーバーツーリズム問題に立ち向かう!?
妖怪退治でも世の秩序を乱す存在を滅する戦いでもなく世界を滅ぼす悪を倒す戦いでもない。
観光地問題ですよ観光地問題。
そんな地味な問題に四苦八苦しながらあちこち駆け回る登場人物達。
問題が地味だからこそ彼等を身近に感じて親しみを持ってしまいます。
まぁ京都府在住の者としては、正直物申したい部分はあるし、実際他にも居ておられるでしょう。
でも考えてもみてください。
世に出ている色々な刑事ドラマの数々を。
京都市の西の端から東の端へ、はたまた北の山奥から南の伏見のマンションまで。
市内の事情をガン無視で犯行を犯す犯罪者に、交通事情ガン無視で捜査し追いかける警察。
そんなドラマを受け入れられるなら、この小説なんかエルフですよ? 酒呑童子が高級マンションでふんぞりかえってるんですよ? タヌキが高級車乗り回してるんですよ?
細かい事はスルーして楽しむのが吉。
でも懐かしいネタてんこ盛りで、やっぱりオッサンオバサンホイホイ……。