第15話 だって涙が出ちゃう、男の子なんだもん
今朝は科学魔法で昨夜のパスタをレンチンして3人で食べた。
せっかく上手く出来たのに味が落ちていたので犯人達を睨んだのだが、潤んだ眼差しと舌なめずりが帰ってきた。
【女性フェロモン】を学習しました。
【女の色香】を学習しました。
【女の色気】を学習しました。
学習した能力はくノ一に統合されます。
だから、なんで体験学習はこう……
ボクを女の子扱いするんだよ!!
◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆
3人で夕食のパスタを朝食として食べてからテントなどを片付ける。
と言っても元の持ち主であるアリスがストレージに収納するだけ。
ボクが作ったテーブルなんかの設備は毎回作った方が練習になるので、破壊して土に戻して地面に戻しておく。
全ての後始末が完了したらルーナが右腕に、アリスが左腕に抱きついてきて、クレイモア目指して歩き出す。
道中は質問された事に答えたり、村での思い出を話したりしていた。
アリスとルーナの左手がボクの下着の中まで侵入してきて、前にも後ろにも腰を逃がせずに焦らされながら、言葉が途切れ途切れになりながらだったけど。
この夜、ボクは生まれて初めて肉食獣になった気がした。
だけどそれは羊の勘違いで、本物の肉食獣には勝てなかったどころか、逆に美味しくいただかれてしまった…
「ミゲルさんは、もうちょっと言葉使いを女の子寄りにした方が可愛いと思いますわよ?」
「そうぴょんそうぴょん、そうするぴょん!」
「やー、らめなろー。ボクは
この後メチャクチャ寸止め地獄を味わったけど、ガチ泣きしてしまってなんとか女の子言葉は回避できた。
【女の武器】を学習しました。
【女の涙】を学習しました。
だけど体験学習の学習結果にだけは文句が言いたかった。
疲れからか、そんな余裕もなく気絶してしまったけれど。
◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆
それからの日程は驚くほど順調に進んだ。
アリスとルーナからの日常的なセクハラは成りを潜め、普通のこ、コイビト! みたいな関係になっている。
ボクの男らしい説得が功を成したのだろう。
決してボクが泣いたからって、アリスとルーナがやり過ぎたと反省したからではないはずだ、うんうん。
夜間の肉食獣は相変わらずだけど、少し暴食っぷりが落ちてきている。
精神が壊れない狂わないように魔法で保護して、疲れたボクを魔法で回復してまでするような行為じゃないと思うんだよね。
べ、別に嫌なわけじゃないし……
こうして100日を超える徒歩の旅も終わりを迎え、遠くにはクレイモアの高い防壁が見えてきた。
これからはボク達のダンジョン探索者としての生活が始まるんだ!!
美少女少年の体験学習記 天神 運徳 @amezingdragon831
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