第4話 「気持ち」
[ 主に出てくる人物 ]
有栖川 小豆(ありすがわ あずき)
高一の女子校生。桜ヶ丘高校の生徒 ショートカットでややツリ目こちらから見て左の目の下にホクロがある。葉澄と一緒のクラス。
天花寺 葉澄(てんげいじ はすみ)
小豆と同じ桜ヶ丘高校に通う高一の女子校生。腰まである艶のあるサラサラな黒髪、姫カット目はおっとり右耳の上あたりにリボンをつけている。
ー2人は付き合っているー。
「好き…小豆ちゃんが好き!」「ありがとう」私は笑顔でそう言った。(ん?…待てよ?今なんて言われた?)私は半信半疑でもう一度葉澄に聞く、「ねぇ、もう一回聞くけど、今なんて言った?」葉澄は恥ずかしそうにして、「……好き…っていった。」(まじかぁ!)その言葉に驚きを隠せなかったが、可愛い子にされる告白とはものすごく嬉しいもので、つい『いいよ。』の言葉が、出そうになる。私は熱くなる頬を両手でおさえて一度考える。(確かに好き。ものすごく好き。もしかしたら、いやもしかしなくても、私の方が葉澄のことを好きかもしれない。ちょっと付き合いたいなって何回か思ってた。というより毎日思ってた。)私はしばらくの沈黙を置いて、
「私も好き。」頭で考えるよりも先に出ていた。(思ったより恥ずかしい…!!)私は早くなる鼓動の音に耳を痛ませるも自分の気持ちを伝えた。「好き。葉澄がスッゴい好き!つやつやの黒髪も、肌も目も、声も性格も!私より身長が高いけど!けどそこが良いの!いつか抜かしたいって思ってるけど!お人形さんみたいで綺麗だし、私、葉澄の全部が好き!」開いた口が塞がらない。そんな顔をする葉澄を見て気づいた。
そんなに一気に言ったら愛が重い人みたいじゃないか!
(こういう時に限ってなんでこんな風になってしまうんだろう…)少し落ち込む私をよそに、葉澄は声をあげて笑っていた。「…え?」と声を漏らすと、「ごめんね、可愛くって、今の小豆ちゃん、なんか飼い主に忠実な飼い犬みたいで…笑っちゃった。」私は「もう…そんなこと言わないでよ!」少しキレ気味で言った。「ごめんごめん。でも嬉しい。そんなに思ってくれてたなら安心。」そう言って微笑みかける葉澄に私は抱きついた。「私、葉澄とおんなじ性別だけど…どんな人よりも、絶対に幸せにする自信がある!だから…その…!」
あぁ…言いたいのにこういうときに限って言葉がでない…さっきまであんなに好き好き言ってたのに…葉澄を抱き締めている手に力がこもる。(もう言うしかない…!)
「私と……私と付き合ってください!」「うん…!もちろん!」
自然と嬉しいと言う喜びで胸が一杯になった。
やっとのことだけど。ようやく私達、小豆、葉澄は付き合うことになりました。
私達、付き合ってます!
私達、付き合ってます。 白神 木乃葉 @konohaame87
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