第6話 とかげの頂上くん

 とかげの頂上くんのおうちを手に入れたんですが、サイズ感をミスってオオサンショウウオの水無瀬くんが侵略的外来生物になってしまった……。


 ここに至るまでの説明をするべきでした。すみません。


 時は数週間前……私はすみっコぐらしの映画ポスターを見ながら思いました。

 このとかげはもしかして……水無瀬くんなのでは?


 そうと決まればgo to映画館です。

 幸いにも私は優待チケット的なあれを持っているので、1000円で見られるのです。


 いやあ、楽しみだなあ~。

 水無瀬くん、いよいよ銀幕デビューか~~!

 これはもはや水無瀬くんの授業参観といっても過言ではないのでは?

 水無瀬くん……立派になって……(目頭を押さえる)


 しかしここで友人Oは言いました。


「いや、とかげって水無瀬くんじゃなくて頂上くんなんじゃない?」


 ヴァ!?


 とかげのことをよく知らずに映画館に向かおうとしていた私は、そこで初めてすみっコぐらしのとかげの設定を知りました。


 とかげは実は恐竜で見つからないように隠れて暮らしてる。

 お母さんと離れ離れになって会いたがっている。


 頂上くんじゃん!!!!!!!!!!!!!!!!


 そうなりました。


 映画も追い打ちをかけてきましたね……。


 ちびっこにやさしく声をかける頂上くん……。

 配役が人魚姫の頂上くん……。

 人魚………オボロロロロロロロ!!!!!!!


 そして手元にやってきたとかげの頂上くんSサイズ(確か)

 オオサンショウウオの水無瀬くんとも仲良くやれているようです(ぬいぐるみ遊び)

 何よりですねえ、ええ。何よりですとも。


 そんな中、アマゾンで見つけてしまった商品がこちら!


「すみっコぐらし お出かけすみっコハウス とかげ」


 え!!!!!!!頂上くんのおうちが買えるの!??!??!?!

 オオサンショウウオの水無瀬くんと同居できるじゃん!!!!!!!


 そうなりました。


 そして届いたとかげのおうち――私は喜び勇んでオオサンショウウオの水無瀬くんを突っ込みました。


 結果は……まあ、あらすじにある画像置き場で確認してください。


 一言で言うとギチギチでした。

 水無瀬くんが入るだけで、とかげの頂上くんは追い出されてしまいました。


 違うんです!

 私の目論見ではもっとこう……ほのぼの空間が広がるかと!

 こんな弱肉強食ジャイアンのび太状態になるなんてつゆほども思っておらず!

 せっかくお菓子もジュースも用意して待ってたのにね……(幻覚)

 ほら頂上くんこんなしょんぼりした顔になっちゃってる! 頂上くん!!!(幻覚)


 ですがそこは頂上くん。

 隙間に自分をねじ込むことによって同棲空間を獲得したのです。


 さすが頂上くん! 頭脳派!


 私はそっとおうちのチャックを閉めて、形成されつつある二人の祭壇へと置きました。


 ほら……開けなければワンチャンあるかもじゃん?

 もしかしたら中でいちゃついてるかもしれないじゃん?


 わぁ! 興奮してきた!


 次回! 増えつつある頂上くんと水無瀬くんの複雑感情模様!

 頂上くんの感情が……でかい!!!


 ところですみっコぐらしの映画やばくありませんでした?

 年甲斐もなく泣いちゃったんですが?

 ウエッ、オヴォエッ(泣きえずく)

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

オオサンショウウオの水無瀬くんの幻覚を見続けるエッセイ 黄鱗きいろ @cradleofdragon

★で称える

この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。

フォローしてこの作品の続きを読もう

この小説のおすすめレビューを見る

この小説のタグ