Dead man's hand (デッドマンズハンド)D.M.H.

作者 綾野トモヒト

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★★★ Excellent!!!

いつも笑顔で誰にでも優しく、裏表がない。
そんな分かりやすい「いい人」は、殆ど出て来ません。「いい人」という言葉の範疇に収まる人が存在しない、と表現する方が適切かもしれません。

『Dead man’s hand(デッドマンズハンド)D.M.H.』には登場人物の心の多面性が、これでもかと言うほど克明に描き出されています。尚且つ「人間、誰しもいい面と悪い面がある」などと安易にメッセージをぶつけて来ることもありません。善悪の勘定を読者に委ねている点が素晴らしいです。
「格好良く成長する主人公」や「可愛いヒロイン」といった単純明快な枠組みは、すぐに打ち砕かれるのではないかと思います。きっと各登場人物への評価は二転三転します。
淡々としていながら、確かな熱を持ってこちらに迫って来る三人称の語り口が独特です。

パッと見は、怪異を物理でブッ飛ばすパワフルな悪霊退治ものです。エンタメ性を追求した展開の隙間に挿し込まれた心理描写を、より多くの方々に楽しんで頂きたいです。

★★★ Excellent!!!

丁寧な心理描写、軽快なアクション表現と登場人物達のフランクで個性的な会話シーンの対比がとても心地よい作品です。
そして、魅力的な登場人物達の三者三様の恋模様が心霊ホラーの恐怖をさらに盛り上げます。
主人公と特殊な関係を持つ、全能といっても過言ではない超常の力を持つ美少女の艶っぽい仕草は、男子諸君の胎内回帰本能を存分に満たしてくれることでしょう。
また、神的合一によって自己承認欲求が極限肥大して世界を2回も補完しかけた例の少年よろしく、自己肯定感が希薄で卑屈な少年の鬱積したデストルドーが、古の神との関係性のなかで自己の内部から徐々に外部へ向かっていってしまうのではというハラハラ感がたまりません。(中二病患者の方は特に。)
これからいったいどうなってしまうのか、次の展開がとても楽しみです。

★★★ Excellent!!!

どの登場人物(脇役含む)も共感できたり、逆に反感や嫌悪感を感じる設定で描かれています。
言動に共感を持てば追体験でき、逆に反感や疑問を感じれば『自分ならどうするか?』と考えながら読み進められます。
誰でも持っていそうな感情や思考が鮮明に描き出されていて、様々な場面と登場人物たちの言動に、自分を重ねて物語に入り込んでしまいます。
登場人物たちが最後にどのような結論を下すのか? 楽しみで仕方ありません。

★★★ Excellent!!!

情景が細やかに表現されていて物語の世界にひきこまれます。日常見聞しない言葉も分りやすく使われていて嬉しい発見と驚きがあり新鮮な味わいを感じます。登場者それぞれの思いが行間にまであふれでていて想像力をかきたてられます。この物語はドキドキ ハラハラ そして底にながれる他者へのやさしさが身にしみる場面など情感豊かな内容に次々と読みつづけてしまいます。中高年の人にも是非読んでほしい作品です

★★★ Excellent!!!


物静かな中に不気味さをまとった文章。

丁寧な描写で、自然と読み進めていってしまう戦闘シーン。

時折挟まれる、清らかなようでも危うさを孕んだ触れ合い。

ホラー好きなら読んで欲しい。

1人1人の登場人物達の感情や表情が読みやすい長さで綴られ、足元を這うような恐怖と戦闘、ある種の暴力から、目が離せない。