月の光の白い日に
雪月華@33331111
第1話 月、覚醒
「紗愛さまー!?!?」
「紗愛さまはどこ~!?」
ばあやの留実と女房の花菜の声がする。
「紗愛さま~!?婚約者であらせられる優希さまの御使者様がもういらしておいでだというのに!何処へかくれんぼなさってるの!?」
いやよ。絶対に出てってやんない。わたしは顔も見たことのない人の妻になるなんて御免よ!
大体、わたしと婚約したいならその優希とか言う人本人が来てよね!使者じゃなくてさ!
兎に角わたしは自分のことは自分で決める。そう、婚約者も、運命も・・・
「妖精かと思った」
ふわり、風に紛れて声がした。ついつられてそちらを見ると黒髪の青年。
「妖精・・・翠の君。」
?なにこの人。
「・・・私の名前は留爽紗愛よ。」
そういって手に持っていた扇を突きつける。
「名を名乗りなさい、無礼者!」
「・・・せっかく妖精かと思ったのにさ。」
「名を名乗れと言ってるわ!」
「まさかこんな、猿姫だなんて!あぁ、優希様が可哀想だ。」
・・・優希、様!?
こいつ、例の使者!?
「うるさいわね、使者ごときが!このわたしを紗愛姫としっての狼藉か!」
使者にバカにされるなんて、許せない
「いくら紗愛姫だとしてもなぁ・・・そぉんな猿姫じゃあ、敬語なんて使えねーな」
「お前・・・いいこと!あなたの主の優希とか言ったかしら!わたし、彼は大嫌いなの!よく伝えることね!」
「・・・は?!あの優希様が嫌いぃ!?」
「?なに驚いているの。」
「才色兼備、眉目秀麗、聡明叡知の優希様が!?」
なに、三色団子、ビーズ修理、そうめん栄養って。
全くわからないわ!
「と!に!か!く!わたしはその優希とか言う人、だいっきらいだから!かえれ!」
わたしは苛立ちのままに使者を追い出したのでした。
月の光の白い日に 雪月華@33331111 @33331111
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