今更のさよならは遅すぎたんだ。

光蛇 星那

第1話 見ない顔だった

それは夏の日で、蝉も転げ落ちるような太陽の暑さが人の肌をじりじりと焼いていった。

私は学校にいた。

勉強をしにわざわざ静かな環境を求めて、なんて普通の人からすれば有り得ない。

だけど、この時の私は勉強しかなかった。それしか出来なかったのだ。私には。

静かで、誰もいない。

一人だ。

勉強は十分に進んだ。

しかしそろそろ人恋しくなり始めたので、学校をあとにすることにした。


「……あっつ。」


なんて独り言を漏らしながら。


「おい」


聞き慣れない声が響いた。

そこに立っていたのは、

………………見たことの無い少年だった。

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