第4話 朝食編

私(結愛)は、看護師の吉田さんに、話を聞いてもらうだけでなく、不眠時の薬を飲むように指示され、服用した。その甲斐もあってか、朝食の朝7時まで起きる事なく、熟睡できた。朝食の時間をとっくに過ぎても、私は起きず、夜勤の看護師と朝勤ちょうきん、通常勤の看護師の入れ替わる時間と重なる為か、気難しい私が心を許せられた看護師の吉田さんの姿はなく、別の40代後半のおばさん看護師に起きて朝食を食べるように、催促さいそくの声をかけられた。


「うーん、まだ寝起きで、朝食とか食べれんわ~」

「何か食べないとお薬飲めないよ、ね?だから軽く一口で良いから食べよう?」


この会話を私(良樹)は何の気なしに朝食の席で豆腐の味噌汁をすすりながら、つい君を目にして、側耳そばみみ立てて聞いてしまった。君が寝起きで食べられない、という理由が本音を隠す建前だと言う事は君の泣きはらんだ顔を見れば、明らかだった。私の寝ている昨夜~朝食の時間までに、君の心を惑わせる悲しみや苦しみが、眼前をあたかも大雪崩に襲われて、絶望する登山者のように、君の心に深い絶望を与えたであろう何かを君が看護師にではなく、私に打ち明け、私が君を支えてあげる事のできない、己の未熟さを呪った。

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私は君と生きる《医療恋愛小説》 西島じお @jio0906

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