第3話 看護師視点
昼の騒々しさが静まり返る深夜の病棟内を、懐中電灯を携行し、見て回る女性看護師の“吉田”さん。私(吉田)は、たまたまシフトが夕方17時~朝8時までの、いわゆる夜勤を任されていた。
例の酸素ボンベのアラームが鳴らない為に、良樹君がナースコールを
「ねぇ、結愛さん。どうしてそんなに悲しいの?」
「悲しくない、辛いの」
「何が辛いの?」
「もう1年以上も入院してて、他の患者は半年やそこらで退院してくじゃん。いつになったら、退院できるの?」
「うーん、まだね、身体が本調子じゃ無いのよ。今不安定な体調のまま、退院したら、また逆戻りだよ?それでも良い?」
「........わかった。我慢する、もう少しだけ」
「そうだね!今はゆっくりんで、
私は小さな子供をあやす母親のように、結愛さんを
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