ポストアポカリプス的な世界設定得てしてそういう世界には、リアル原理主義的なSF的世界観だったり、なろう系ご都合主義的世界観だったりがありがちなのですが、この作品、リアリティにひとつまみのファンタジーで独自の世界観が描かれていますこういうちょっとひねった設定、大好きです!
この物語の主人公は人間ではない。サンタクロース、それも人類の滅んだあとの。プレゼントを贈るべき相手を探す旅路はあまりに切ない。端正な文章で綴られる「また会いたい」という想いが胸に痛い。けれど、これは再生の物語でもあるはずだ。生まれくる世界のかたちをぜひとも見てほしい。私はこの作品を、神話と形容してもいいと思うのだ。