第6話 深界一層『誘いの丘』

 着地すると魔力であろう光が消えた。しかし、頭上に輝くクリスタルのおかげで明るかった。


「一層からは敵が出てくる。気を付けるのよ」

「了解です」

「レクイエムでは師弟関係よりも友人関係の方がやりやすいでしょ」

「はい」

「敬語無し!さん無し!」

「うぃ~」


 剣を抜いて警戒しながら移動を始める。


「出てくるモンスターはあまり強くないわよ」


 そういった時にモンスターが現れた。黒い毛で体長2mの熊のようだ。


「熊?」

「あいつはブラックベア。巨体で強力なのよ」

「へぇ~」


 アリスは剣で奴の足を切る。しかし、多少傷が入っただけで全く聞いていないようだ。


「奴の弱点は首よ」

「了解」


 飛び跳ねて奴の腹から連続して剣を突き刺していく。最後に首を貫く。


「今だ!」


 俺の声に反応したアリスは跳躍して真上からの大上段振り下ろしを食らわせた。真っ二つに割れた体が綺麗に左右に分かれて倒れていく。


「よし」


 喜んだのもつかの間。大量の肉食モンスターが集まって来たのだ。


「逃げよう」

「ああ」


 剣を納刀し、俺はアリスに続いて走り去る。さすがに無理な量だ。


「一旦0階層に!」

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ユグドラシルの木の下で 狼煙(アズ) @kuro2005

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