【横取り屋の灰色鴉】ことジェリコのもとに舞い込んだとんでもない依頼。
いくら横取り屋と言えどもブツがデカい。
国だぜ国! どこのキチガイだそんな無茶振りして来るのは!
依頼を受けるも地獄、蹴るも地獄。
しかし彼には蹴るという選択肢は残されておらず。
(そういうのを脅迫って言うんだよ!!)
なんのかんの言って、昔取った杵柄とやらを駆使して繰り広げられるアクションシーンは圧巻。
大画面でサウンドエフェクト付きで見たいシロモノだ。
脇を固めるサブキャラたちも魅力的。
潰れガエルのような商人、可愛い少年兵、真面目な王子、おてんばな姫、元気のいいお爺ちゃん、生きて動くリーサルウェポン……。
ぶっちゃけめちゃくちゃだ(笑)
そんな振り切ったキャラたちが所狭しと動き回るのも見どころ。
アクションの好きな人には全力でお勧めできる面白さ!
★が3つしか入れられないのが残念だ。
「国をひとつ横取りしてほしい」
昔の上官から指令を受けて立ち上がる、もと兵士のジェリコ。
対する王は残虐で理不尽な公開処刑を見世物とする、最悪な君主だった。
王の主宰するパーティーに潜り込んだジェリコはそこから一転、潜伏活動を開始する。
まず目を引くのは銃や火器に対する造詣の深さです。もと傭兵だったんじゃないかと思うくらい。
その説明がこ気味いいリズムに乗って紹介されます。
全体を通じてアクションシーンでも静かなシーンでもウィットのきいた会話が場を盛り上げてくれます。
爽快なスパイアクション全開なこの作品。これを一度読めば誰もが「真野てん」さんという作家の虜になってしまうでしょう。