21 ずっと大好きだよ。ずっと、大好き。あなたのことが好き。
ずっと大好きだよ。ずっと大好き。あなたのことが好き。
「三船晴くん。私は、雨野天は、あなたのことが大好きです」
雨野天は、夏の青空よりも爽やかな(なんだかいろんな思いを吹っ切ったような顔で)三船晴にそう言って、恋の告白をした。
「僕も、天。君のことが大好きです」
同じように、にっこりと笑って、晴は言った。
すると、天は「嬉しい」と言って、また笑顔になった。
場所は花森高校の屋上。
そこにある黄緑色の大きなフェンスの近くの場所。花森町の風景が一望できる、それからすごく気持ちの良い風の吹く、すごく透明な場所だった。
そこにはバスケットボールをするためのスペースと、バスケットのゴールポストが置いてあって、その近くには白いベンチが置いてある。
その白いベンチを、晴は少しだけその目で追いかけた。
雨野天は本当によく笑うようになった。
以前からずっと笑ってはいたのだけど、それは、どちらかというと演技の笑顔で、それが悪いわけじゃないんだけど、最近の天は、本当に自分の素顔のままで、よく笑うようになったのだった。
誰かが屋上に残していったバスケットボールを、バスケットボールのゴールに向かって投げから、(それは見事にゴールに入った)天は晴の目の前までやってくる。
それから、「行こう」と言って、晴の手を握って、自分の制服のポケットの中に晴の手を入れて、歩き出す。
もちろん、その天の動きに合わせて、晴も歩く。
二人の歩調はあっている。
まるで、リズムをとるように、二人で音楽を奏でるように、あるいはダンスを踊るように、お互いの歩調は、自然とお互いの歩く速度にちょうど、ぴったりとあっていた。
「ねえ、晴。私とさ、初めてあったときのこと。覚えている?」天は言う。
「ああ。もちろん。よく、覚えているよ」
青色の空を見て、晴は言った。
天 てん 終わり
天 てん 雨世界 @amesekai
★で称える
この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。
カクヨムを、もっと楽しもう
カクヨムにユーザー登録すると、この小説を他の読者へ★やレビューでおすすめできます。気になる小説や作者の更新チェックに便利なフォロー機能もお試しください。
新規ユーザー登録(無料)簡単に登録できます
この小説のタグ
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます