第31話 エピローグ

 樹齢千年の大木の幹の中に、二つの意識が会話している。


「魔物よ。お前の魂を天に還そうか?」


「…やはり可能でござるか。でも拙者がいないと、話し相手がいなくてお寂しいのではないか?」


「そうだな。お前はそれで良いのか?」


「ええ。ここからの眺めは面白い。せっかく新しい名を貰ったのだから、としてもう少し生きてみようと思いまする」


「私も忘れていた平安の世を思い出したよ。もう一度人間を信じてみることにした」


「それは良いお考えです。二人の恋の行方も、まだまだ楽しめそうでありますな」





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ボルトとナット 翔鵜 @honyawan

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