第2話(前編) 勉強+能力=?

〜依頼屋〜

今日も電話が泣くように鳴った。

「お電話ありがとうございます。依頼屋です。

「も、もしもし?」

聞こえてきたのは女子中学生の声だ。

「あの...私水美っていうんですけど、勉強ができなくて……」

「なるほど。依頼としては、勉強をお教えくださいということですか??」

「はい…」

小声で返事した。

(なにかあったのかな?声から何かを訴えを感じる)と瞬は思った。

「勉強はそちらがくるか我々が向かうどちらがいいですか?」

「え、えっと…じゃあ家まで来ていただけませんか?」

「なるほど。分かりました。今から向かいます。住所を教えていただけますか?」

「...分かりました。失礼します」

瞬はそっと電話を切った。咲が様子を伺うかのように姿を現した。

「先輩?何かありましたか?」

「いや、なんでもない。仕事だ行くぞ。」

「は、はい!」

(何か浮かない顔してるな…)

咲は何かを感じていた。

瞬間移動して家の前まで行った。

「ここですか?」

「そうだな」

「てかここはどこですかって、た、玉川温泉?」

瞬が咲の体に触れ現在地から近い場所を透視させ、見せた。

「そう。ここは秋田。秋田から依頼が来たんだ。」

「ほぇ…」

よく分からない顔して言った。瞬はすぐ察知して言った。

「絶対どうでもいいって思ってるだろ。」

「な、何を!?なわけないじゃないすかー」

瞬は心の声を聞いた。咲の動揺はいつもの事でもある。そして静かに家のチャイムを押した。中から依頼者の母親がでてきた。

「お待ちしておりました。遠いところからわざわざありがとうございます…まぁ中へどうぞ。」

中は散らかってるとかそういうことはない。

だが、依頼者は問題があったのだ…

母親はお茶を差し出した。

「ありがとうございます。」

瞬と咲は声を揃えて言った。瞬は真っ先に切り出した。

「今回なんですが、勉強を教えてほしいということで依頼を貰いました。」

「そうです…家では教えることは出来ないんです…」

咲はびっくりしたように声を上げた

「な、なぜ?!あなた母親でしょ!?

なぜ教えることが出来ないんです!?」

「咲。もういいだろ。それ以上言うな。」

「だ、だって…」

瞬は落ち着いた声で咲を止めた。咲は興奮が止まらない。

「まぁ水美さんは勉強ができないご家庭なんだ。親共に中卒。そして仕事も不安定だ。しかし、そんな家庭でも水美さんは頑張って勉強まぁ夢に向かってやってると思います。」

瞬は確信があるかのように言った。それに母親はびっくりしたような顔で

「そんなこと分かるんですか!?」

「電話してる時の声から大体伝わってきます。」(本当は心の声なんだが、内緒)

「ですから我々2人が全力でサポートさせていただきます。それで、水美さんは週2で教えて欲しいと言われまして、」

「週2ですか!?そんなお金ないですよ…」

瞬は笑みを浮かべて言った。

「ご安心ください。お金は不要です。」

そう言うと咲が小さい声で

「ふ、不要ってそれってどうなんですか!?いくら仕事とはいえそれは許せませんよ!」

「しょうがない…今回は不要と計算機から出てるんだ。我慢してくれ…」

とテレパシーで話した。

「ありがとうございます…感謝します…」

母親はただ感謝の言葉しが出てこなかった。

「じゃあ早速取り掛かりましょうか。」

つづく。。。

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依頼屋の日常 Karerin @Karerin0428

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