第1話 弁当×能力な件

〜とある会社〜

部長が依頼屋のサイトに目が止まる。

「なんだ?依頼屋?ふざけた名前だなおい。」

そこに部下がやってくる。

「部長!今日の商談とお昼どうしますか?」

「そうだな...お、そうだ。」

部長の悪い顔がパソコンに反射する。

「ぶ、部長。何をお考えなのですか...?」

〜依頼屋〜

プルルル...!!!ガチャ!!

「お電話ありがとうございます。依頼屋です」

「あのーすみません。株式会社キーラワレールと申します。今日4社が集まる大きな商談があって、お弁当が必要なんです。」

(ちなみにその4社の名前は

ツマハージキ、サケラレール、タブトーミラレール、キーラワレールの4社だ。)

「なるほど...それはまた大変ですね...」

(ゆーてそんな大変そうとは思ってない)

「そこで弁当50個お願いしたいんですよ」

「承知しました。いつどこに持っていけばよろしいでしょうか?」

「そうだな...」

また悪い顔が反射する。

「今日の12時、2時間後だな。ちなみに

そちらの事務所はどこにありますか?」

「えっと。うちは富山県です。」

「富山ですか。まぁ大変かもしれんが、

大分まで持ってきてくれないか。」

「大分ですね。承知しました。すぐお作りしてお届けします。」

「頼んだよ。」

ガチャ!!

すると部下が部屋の向こうから飛び込むかのようにやってきて

「部長!なんて無茶を!」

と声を上げた。

「こんなガキにはこれくらいが丁度いいんだよ。お前も覚えとけ。調子こいたやつはこうなるだよ。」

「...」

この会社の評価は悪くはないのだが。部長の

評価はとても悪いのだ。みんなから嫌われていて、気に入らないことにはすぐ無茶なことを押し付ける。いわば最低だ。

一方その頃依頼屋では...

「せんぱーい。弁当どうします?50個と大分は完全にバカにされてますよ?」

咲が眠そうな顔で聞いてきた。

「しょうがない。依頼屋始めてまだ2日しか経ってないからな。」

「じゃあどうやってこのサイトを見つけたんすか。」

隙をなくすかのように言い返してきた。

「...まぁいい。とりあえず作って送るか。あれでいくぞ。シャドウクローn...」

「影分身ですよね。分かりますよ。」

被さるように言った。

「言わせてくれよ...」

1人が2人、2人から4人、4人から8人、8人から16人。瞬と咲合わせて32人でお弁当を作った。瞬は主食から副菜まで作り、咲は盛りつけを綺麗に作った。

そして、1時間後...

汗を無理やりだして、瞬は言った。

「よし。確認も終了したことだし。向かうか。」

シュルルルルルン!!!!!!!

着いて咲は驚いた声で

「あれ?カワイイモンスターカフェ?

ここ東京ですよ!?大分じゃないですよ!?」

カワイイモンスターカフェ移動してた。しかも、みんなから見つからない場所に。遅くなったが。この2人の能力は誰にも知られてない。見つかったら大変なことになる...いわば

あの部長は瞬と咲の能力を知らないで電話していたのだ。でも2時間は無理がある。能力を使う時はMPのように体力を使う。使いすぎると機能しない時がある。

「分かってる。でも電話を聞いていたら東京って頭の中から流れてきた。」

(あの時...)

みんなからは...

「まぁ大変かもしれんが、大分まで持ってきてくれないか。」

瞬からは...

「まぁ大変かもしれんが、大分まで持ってきてくれないか。」(まぁ東京なんだけどな!大分行って困って泣き喚くがいい!!!

ハッハッハ!!!!)

と聞こえたのだ。

「全く...咲も俺の能力くらい把握しておけよ...」

笑いながら言った

「ご、ごめんなさい。」

咲も笑みがこぼれる。

やっぱり仲がいい。中学時代部活の先輩と後輩の関係だったからかな。

歩いて行くと大きな会社が見えてくる。その黒板には商談の予定が書いてあった。

「ここだな。」

「そうですね。」

顔を見合わせて言った。

「先輩、どこの部屋に依頼者がいますか?」

瞬は目をつぶって髪の毛を動かして調べた。

そして目をカッ!っと開けて言った。

「3回の左から3番目の会議室だ。」

「よし!行きましょう!」

一方会議室では。

「それでは午前はこのくらいにしましょう」

キーラワレールの部長が言った。

「はい。それではお昼にしましょうか。」

サケラレールの部長が言ったつぎに

キーラワレールの部長が

「じゃあどこかでお食事にしましょう」

と言い、キーラワレールの部下が焦ったように

「え!?ぶ、部長!弁当たのんだのでは?!」

「どうせ来ないから安心せ。ほらいくぞ。」

4人の部長が並んで出ようとした瞬間。

ガチャ!!と扉が開く。そこにいたのは、瞬の咲の姿が。

「お待たせ致しました。依頼屋の瞬です。」

咲を手で指しながら

「こちらは助手兼秘書兼同僚の咲です。」

咲は少しお辞儀をした。そして声を合わせて

「よろしくお願いします。」

2人でお辞儀をした。

「えっと...12時ちょうどですね。お弁当の方をお持ちしました。」

周りを見渡して、

「かなりの人数ですね。50人は嘘ではなかったみたいですね。」

キーラワレールの部長がキレるように

「な、何が嘘だ!!な、なぜこの場所が分かった!?」

瞬はポカーンとした顔で

「あ、あれ?東京と言っていませんでしたか?」

「は!?俺は大分ってi...」

と言いかけた。するとほかの3人の部長が

キーラワレールの部長を見た。

サケラレールの部長が

「おい。どういうことだ。さっきお昼はどうします?って聞いた時いいお店があるんですよ。そこでお食事しましょう。って言ってたじゃないか。」他3人の部長も声を揃えて怒りを投げつけた。

瞬が落ち着いた声で、

「まぁまぁ、落ち着いてください。怒りをぶつける前に弁当の中身を見てください。」

瞬はそれぞれの部長に弁当を渡して中身を見せた。

ツマハージキにはのり弁当

サケラレールには鮭弁当

タブトーミラレールにはブリの照り焼き弁当

そう。それぞれ好みの弁当が用意されてる。

タブー「これは。私の好きな弁当...?」

サケラレー「私のも...」

ツマハー「私とだ...」

「部長は全部のり弁とかそういう愛想ないことをせず、あらかじめ好きな弁当を聞いてから教えてくれたんですよ。これも部長なりの優しさなのではないかと思います。」

瞬は語るように言った。そしてお昼が終わった後キーラワレールの部長と瞬たちが会社の前で部長が、

「まさか本当に届けてくれるとは思わんかった。バカにしてすまなかった。しかし、なぜ好みの弁当も分かったんだ?」

「それも部長言ってたじゃないですか。」

(プレイバック)

「そこで弁当50個お願いしたいんですよ」

(サケラは鮭弁、ツマハーはのり、タブトーは

ブリの照り焼きだけど、言わくてもいいか。どうせお食事にするし。)

「そ、そうだっけな。」

困惑した顔で言った。

「部長は人として良いことをしたんですよ。

自分もその優し差を見習いたいものです。」

「い、依頼料なんぼですか?」

部長は照れた顔で言った。

「本日は5000円となります。」

瞬は脳内円カウンターを使った。

脳内円カウンターとは払う側ともらう側どちらにも利益があり、文句のない値段が自動的に教えてくれるのがこの機能だ。全の能力の1つだ。

「本日は本当にありがとうございました。

今後ともご依頼よろしくお願い致します」

瞬が言うと、

「こちらこそよろしくお願いします。」

部長もいい、握手をして本日は終わった。

部下と部長の2人が話してた

「部長!今日は良かったですね!」

「あ?あぁ、まぁな。、」

「無茶言ってけどあれは嘘だったんですね。全くー変な嘘つかないでくださいよー。

これからも頑張りましょう!」

「お、おう!がんばろうな!」

(次の日、会社名が株式会社ガッツに変わったのは言うまでもない。)

「いやー良かったですねー!地味にカッコつけるのも先輩らしいですよ。」

「それは褒めてるのか...?まぁ良かったからいいけどなー。」

目の前に見える大きな夕日が微笑んでるように見えた。

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