第2話 東京
引っ越して2年目で
ようやく君の影を探さなくなった
君のいないこの街で、
終わりのない自分探し
ふらふらと彷徨って
馬鹿みたいに歌っている
この歌は君には、きっと届かない
この空は繋がっているのに
同じ月を見ているのに
僕の心を持ったまま
消えた君には、きっと届かない
誰も知らないこの街で
誰も知らない自分を探し始めた
星のないこの街は
求めたものをくれるだけ
何も持たない僕は
夢と現実の間で佇むだけ
そうか、ずっとここに居ないのは
君じゃなくて、僕だったんだ
馬鹿みたいに歌って
この声が枯れるほど
ここで「生きている」を 感じたいこと
このままで「いい」のか
わからなかったけれど
怒りたくても「気にしないで」と笑った
泣きたくても「大丈夫」って笑った
うすら笑いが剥がれなくなって
いつしか笑い方も忘れてしまった
終わりのない自分探し
どうやって笑うんだっけ?
無関心な東京が心地よくて
誰でもない 僕のまま
今日も歌っている
今日も歌っている
灰色のネズミはカラフルな夢を見る 芝生 ねこ @shibafu_neko
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