第12話「どんな主人公が読者に受けるのか?」⑫
前項目は、なんだか僕の自分語りに近いものとなってしまいましたが、どれだけ読者に共感を得られるかというのは一番大事な要素だと思います。
『もし、この状況で自分がこの場面に居たら、自分はどのキャラクターなんだろう?』
そう思わすことが出来たらならば、それは物語を書く側からすれば一つの成功だと思います。
しかし、それにはその時代背景を考慮しなければなりません。
なぜなら、僕のような昭和中期に生まれた人間が育ってきた時代背景だとすれば、やはり、
「活発で、才能に恵まれた主人公」
でなければ、見向きもされなかったからです。
僕は、かの小説投稿サイト『小説家になろう』という媒体が、法人化する以前の初期から登録していたユーザーなので、その十年以上も前のかのサイトの様相も知っています。
あの頃は、まともな物語を書けるユーザーも少なく、落書き程度の自分語りや、告発文などが横行していました。
それで、しばらくして〝携帯小説〟などという分野が流行り出し、とても小説などとは言えないものが書店などに溢れかえり、時代は変わったんだななどと世間は言い出すようになったのです。
そのうち、今のような〝なろう系〟と呼ばれる夢小説的な異世界もの分野が多くみられるようになり、その主人公たちは、とても以前に書いた〝才能に溢れ〟〝類まれな努力をする〟ようなものとはかけ離れて行ったのです。
そう、それも時代の流れ。読み手の人々の好みが、今の〝なろう系〟の主人公たちに共感しているという現れとなっているのです。
その兆候が見られたのは、多分、かのオ〇ム真理教が台頭して来た部分に合致します。
オ〇ムの麻原は、僕が鑑みるに、とても自分に都合が良い妄想癖があったのだろうと推測できます。
オ〇ムが台頭してきたころは、僕も東京や横浜に住んでいた頃で、一歩間違えれば、僕も〝あの事件〟に巻き込まれていた可能性すらあった時代でした。
あの事件がある以前にも、僕の友人らも、奴らに隙あらば勧誘を受けたり、僕自身が住んでいたアパートに奴らが直接勧誘に期待していた時代です。オ〇ムの勧誘は、実際にアパートに〝三人〟で来るらしいので、間違いなく僕は三人組に勧誘を受けたのであれはオ〇ムだったのだろうと思うのです。
奴らとの攻防は、玄関口で二時間ぐらい粘られてのですが、僕自身が様々な反論などを勧誘の奴らに投げかけたので、
「あなたには神様はいらないようですね」
と、三人はさじを投げて逃げて帰ったのをよく覚えています。(※ノンフィクションです)
その後、あの事件から数年たって、僕自身があの存在を自分なりに分析したとき、ユーチューブ内に、あの教団に洗脳されていた信者の親のインタビューを発見しました。
その時、
「今の人は、考えに土台が無いんだよ」
と、その親御さんは仰っていたのがとても印象的でした。
まさにその通り。
僕は未だに、なぜあんな男が〝空中浮遊〟している写真を見せられて、あんな男を〝神〟だと思えたのか理解出来ないのです。
もし、それがスプーンを自在に曲げているものだとしても、〝神〟だとは到底思えません。
僕は思います。
「それっぽっちの力で、万能な〝神〟だとは笑わせるね」
てな意見です。
なぜに、あの時代。超学歴のエリートどもが、そんなことに気づかずに入信してしまったのだろう?
僕は不思議でならないとともに、これこそが時代的な流れだったのではないかと思うのです。
ちょっと、創作論とは離れてしまいましたが、僕よりも若い世代に知っていただきたくてこんなことを書いてしまいました。
他にも話したいことが沢山あるのですが、それも少しずつ小出しに書いてゆきたいと思います。
【カクヨム版】なぜパプテマス・シロッコは、赤い彗星を「ニュータイプの成り損ない!」と揶揄したのか? 中村五円玉 @jnosuke
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