第2話_社畜マインドの一端をお見せしよう_エンゲージメント
今日、何をしたかを思い出そう。
【朝】
いつもの通り娘に起こされる。
着替えをさせて、一緒にグラノーラを食べる。
ついでに、下の娘も寝室からリビングに連れてきて、おむつを替える。
保育園まで、自転車に載せて娘を送っていく。
「寒い寒い」なので、毛布で「あったかーい」しながら移動。
「バイバイタッチ」して、駅に向かう。
【通勤】
白安のニューアルバム(良い!)を聞きながら電車に乗る。
https://www.youtube.com/watch?v=NL2e8U0hays
会社の最寄り駅を寝過ごそうか迷うが、今日は珍しく会社の最寄り駅が終点だったので、仕方なく起きて降りる。
週初めはなかなか、気持ちがゆるんでいるので戦闘モードになれない。
街を歩きながら白安を聞いていたらなぜかニューヨークの景色を思い出して救われる。
あの日、初めて降り立つ外国の街で、どうやって渡ったらいいのかもわからない大通りの向こうに、ビルの陰に隠れるようにスタバがあったのが、ただそれだけで救いだと感じた。
今思い出したんだけど、あの景色、ニューヨークじゃなくてバンコクだった。
まぁとにかく、ただ街を歩くだけでドラマチックで冒険だったあの頃を思い出した、ということだ。
「当たり前」のものなんか、無いのさ。
このクソでかいビルに囲まれたグッチャグチャの街で、よそ者に冷たいコンクリートの塊の中に、自分の席があると思うだけで、何かの奇跡だ。
【仕事】
「自分の仕事」と「チームの仕事」と「プロジェクトの仕事」を同時にやる、つらみ。
11月からチームを見ることになったけれど、まだ自分の仕事をたくさん抱えたままだ。
「チームの仕事」を後回しにしてしまうとつらいのは、チームのメンバーに迷惑をかけるから。
しかし緊急度が高いのは、「自分の仕事」なんだな。
重要度が高いのは、「チームの仕事」か。
莫大な売上に直結するのは「プロジェクトの仕事」か。
徐々に「自分の仕事」を手放して、フリーアップしていかないと、誰も幸せにならない。
今日やった、一番いい仕事は何だろう。
チームメンバーの業務内容をヒアリングして、当面の仕事を整理しつつ、本質的な問題点(メンバーの問題点ではなく、会社の仕事としての問題点)を上司にレポートできたこと、かな。
俺の仕事は、少しでも何かをいい方向に変えているのだろうか。
両手に3種類の仕事を抱えてアップアップしている自分はいろんな意味で望ましくないので、手も頭も整理したい。
整理したい整理したい整理したい。
と言いつつ、この時間に手を動かしているのは、仕事の整理ではなく、今日の振り返りをカクヨムに書き付けているということ。
この、矛盾。
これがせめて、頭の整理になるといいな。
ガキみたいだ、俺。
ガキみたいになれる場所が、欲しかった。
【夜】
白安を聞きながら退社。
電車内で、他チームのメンバーのSlackのつぶやきにいろいろと学びながら帰る。
最寄り駅のスーパーでキムチを買う。
家に帰ると、ちょうど妻と娘二人が風呂に入っていた。
娘二人は、俺を満面の笑顔で迎えてくれる。
楽園。
メシを食って、ラグビーワールドカップの振り返りを軽く見て、今に至る。
【仕事】
「考えたものが勝つ世界へようこそ」
これな、マビノギデュエルのキャッチコピーな。
好きなソシャゲだったんだけども、サービス終了してしまってカナシス。
やっと、今の仕事で、「考えることに価値がある」世界に来れた気がする。
逆に言うと、「考えない者に価値は無い」。
考え抜いてないものを出すと同僚や上司に「ヌルくね?」と言われる世界。
学生の頃、「大人というのは頭を使わないものだ」と思って、つらかった。
あれは2つの意味で、半分正解で、半分間違っている。
1つ目の意味では、「頭を使わない大人もたくさんいる(頭を使っている大人もたくさんいる)」という意味で、半分正しい。
2つ目の意味では、「限られた領域にしか頭を使わない(限られた領域に対しては全力で頭を使っている)」という意味で、半分正しい。
考え抜かないと「アホ」とまではいかなくても「微妙」ぐらいに思われる世界に生きているというのは、半分怖くて、半分刺激的だ。
結果は数字が教えてくれる。
「大人の世界はつまらん」と思っている若者もきっとたくさんいるだろうけれど、面白い世界もある。
でもなんか、今のところ、全然自分が結果を出している実感がなくてつらみ。
考えて、行動して、結果を出したい。
これを、社畜用語で「エンゲージメント」と呼びます。
エンゲージメント、してますか?
今日もいいエンゲージメント、持っていこうぜ!!
おやすみ!!!!(お休み!!!!)
30代・社畜の今夜も眠れない kc_kc_ @ndounganye
★で称える
この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。
フォローしてこの作品の続きを読もう
ユーザー登録すれば作品や作者をフォローして、更新や新作情報を受け取れます。30代・社畜の今夜も眠れないの最新話を見逃さないよう今すぐカクヨムにユーザー登録しましょう。
新規ユーザー登録(無料)簡単に登録できます
この小説のタグ
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます