概要
二〇一〇年代のセックスと個性と経済をめぐる四楽章
「エルフにはエルフの心労があり、エルフの悲しみごとがある」
(J.R.R.トールキン『指輪物語』 瀬田貞二・田中明子訳)
物資的には完全に満たされ、たっぷりと余裕のある彼らの生活にも、やはり心労と悲しみはつきまとう。
それはどこからくるのだろう。
食うに困らぬ生産力を手に入れたはずの我々は、なぜ楽園生活を満喫できないのだろう。
2000年代を生きる若者たちの姿。
流動性と交換可能性はそれ自体が価値なのだろうか?
人間性の価値に市場で価格は付かないのか?
現代のセックスと個性と経済をめぐる怒涛のおしゃべり。
第一部 二〇〇七年 十九歳 イチ
第二部 二〇〇九年 二十二歳 トシ
第三部 二〇一一年 二十四歳 トシとイチ
第四部 二〇一四年 二十七歳 トシあるいはイチ
※この作品にエルフは
(J.R.R.トールキン『指輪物語』 瀬田貞二・田中明子訳)
物資的には完全に満たされ、たっぷりと余裕のある彼らの生活にも、やはり心労と悲しみはつきまとう。
それはどこからくるのだろう。
食うに困らぬ生産力を手に入れたはずの我々は、なぜ楽園生活を満喫できないのだろう。
2000年代を生きる若者たちの姿。
流動性と交換可能性はそれ自体が価値なのだろうか?
人間性の価値に市場で価格は付かないのか?
現代のセックスと個性と経済をめぐる怒涛のおしゃべり。
第一部 二〇〇七年 十九歳 イチ
第二部 二〇〇九年 二十二歳 トシ
第三部 二〇一一年 二十四歳 トシとイチ
第四部 二〇一四年 二十七歳 トシあるいはイチ
※この作品にエルフは
おすすめレビュー
新着おすすめレビュー
- ★★★ Excellent!!!感情の超新星
1人の大学生の話。
たったこれだけでこんなにものめり込んでしまうのは、人の形の無い感情がまるで超新星のように様々な要因によって大爆発を起こし、そして新しい物に生まれ変わっていくという、とても不思議で壮大なひとつの物語であるから。
そして、それが非常に高いレベルの文章と秀逸な視点で表現されているのがこの作品の最大の魅力。
とは言え、小難しい言葉は一切使われておらず、些細な出来事、その一瞬についてどこまでも遠く、深く読み解きながらも、自然と手元に帰ってくるような安定感、そこに生まれる強い共感が心地良い。
心のバイブルとも呼べるような、人の行動原理の奥深さを気付かせてくれる物語です。