5
傷だらけの鎧が埃を被ってしばらく経つ。
俺は今日もセーニョ村の畑をひたすら耕していた。
相変わらず作物の種を
しかも旅の成果で、力加減を間違えると土を吹っ飛ばしてしまう。
それをいかに抑えるかが、密かな修行となっていた。
そうそう、村は旅に出る前よりも少しだけ賑やかになった。
ほら、広場で追いかけっこをしている男の子と女の子がいるだろう。あのふたりは村で新しく生まれた子供である。
そしてもうすぐ、三人目も生まれる予定だった。
背後から『布の服』の裾をちょいちょいと引っ張られた。
そこに立っていたのは、『ゆったりとした布の服』を着た女性だ。
かつて勇者だった彼女は俺の手を『しらべ』、走り回る子供たちを穏やかな笑顔で見守る。
俺は彼女の手をそっと握り返した。
「やあ! 今日はいい天気だな!」
しらべる勇者ちゃんと今日もいい天気な村人F あたりけんぽ @kenpo_h
★で称える
この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。
カクヨムを、もっと楽しもう
カクヨムにユーザー登録すると、この小説を他の読者へ★やレビューでおすすめできます。気になる小説や作者の更新チェックに便利なフォロー機能もお試しください。
新規ユーザー登録(無料)簡単に登録できます
この小説のタグ
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます