第8話 ささやかな休日
「お兄ちゃん?」
「ん?おはようかな?もう10時だぞ。」
「なんで、起こしてくれなかったの?」
「今日は、日曜日だぞ。」
「あっ…。」
そういえば、そうだった。
「それで、お兄ちゃんは何時に起きたの?」
「7時くらい…。」
「ふーん。」
朝からなにをしているのかと思ったらお兄ちゃんは映画を見ていた。
「…何の映画?」
「うーん、多分恋愛かな?」
「男女の?」
「そうだよ。」
「それで、どんな話なの?」
「豪華客船が氷山にぶつかって沈む。」
「…タイタニック?」
「正解。」
「…朝から何を見ているのか。」
「本当は、今夜見るはずだったけどちょっと予定が入っちゃって…。ああっ、それと昨日言ったと思うけど多分今夜帰ってこれないから夜ご飯は食べてね。」
「お兄ちゃん、いつ言ったの?」
「夜の10時くらい。」
「もう、わかった。それじゃあ、夜ご飯食べてくるね。」
「うん。それと、もう少ししたら出掛けるから。」
「はい、はい。」
お兄ちゃんは、ここ最近はこんな調子で週末どこかに行くことが多い。
たぶん、女性関係だけど。
でも、あんまり彼女さんとかそんなことは話さないけど他の所と同じようにやっぱりそうだとは思う。
けれど、なぜかお兄ちゃんはなぜか悲しそうだし、最近は古い映画を見るようになった。
それでいて、ニュース番組も避けるようになった。
がる//HALLA 葵流星 @AoiRyusei
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