第2話 幼なじみがおブスな世界2
幼なじみには先に学校行っといてもらって、学校に行く準備をすることにした。
制服は程よく着くずし、ワックスもバレない程度につけた。
朝食も簡単に済ませて、玄関の鏡を見て歯にのりが挟まっていないことを確認した。
少し時間に余裕がなくなってきて慌ててドアを開けると玄関に座り込んだ幼なじみがいた。
「お、おうっ、びっくりした。え、なに。花子ずっと居たのかよ。」
言い忘れていたが幼なじみの名前は花子だ。
なんか、うん、なんというか、全国の花子さんには申し訳ないけど残念な名前だ。
いや、この見た目と名前が合わさって残念になっているのか。
まあ、そんなことは今はどうだっていい。
「なんで先行かねえんだよ。」
花子は黙って俺の制服の端っこを引っ張った。
いや、そーゆーのは可愛い子がやってなんぼだからさあ。早く理由行ってくれよ。
「こうちゃんと行きたい。」
上目遣いで見てきた花子を突き飛ばして学校まで走った。
「あれ、こうきくんじゃない?ほら、隣の中学で有名だった。」
噂話が聞こえ走るのをやめた。
話題にされるのは嫌いじゃない。
「絶対こうきくんだよ!だって見てあれ...。なんかいるじゃん。いつもくっついてるって噂の。」
いつもくっついてる??なんかいる?!嘘だろ?!
慌てて振り向くとゼーゼーいいながら僕を睨む花子がいた。
「こうちゃ、、ん。、、一緒に、、行こ?」
息を切らしながら言う花子はもはやホラーだ。
周りの目線も気になったから仕方なく一緒に行くことにした。
校門まで来て思わず足を止めてしまった。
学校と俺との間に真っ暗な穴がある。
「おい、花子。これなんだ?」
キョロキョロする花子に足元を指さすが何も見えないらしい。
真っ暗な穴の上の上を普通に歩く花子に腕を引かれ、転びそうになった。
慌てて手をつこうとしたが地に着くはずの手は宙を切頭から穴の中に落ちた。
気づいたら校門を入ったところに立っていた。
「こうちゃーん、何してるの。」
特に変わった様子もない花子がクラス割りを貼った掲示板の前に立っていた。
「ね、こうちゃんと同じクラスだったよ。ほら、1組。」
1組の表を確認する。
6番、笹川 幸樹
あ、あった。
でも出席番号が次のはずの佐藤花子の名前が無い。
「お前の名前ないじゃん。」
「何言ってるの。一個上にあるじゃん。ほら、5番 桜木美咲。」
なに言ってんだ、こいつ。
真顔で。冗談言うタイプでもないのに。
ついに頭おかしくなったか。
僕がおかしかったってことに気づいたのは担任が出欠確認を取った時だった。
幼なじみがかわいくないからパラレルワールドを転々とした。 滝川ゆうあ @yuataki124
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