幼なじみがかわいくないからパラレルワールドを転々とした。

滝川ゆうあ

第1話 幼なじみがおブスな世界1

生まれた時からお隣さん。


幼稚園、小学校、中学校も全部一緒。


クラスが違っても登下校は相手の親にお願いされているから一緒だ。


そして今日は高校初日。

玄関のチャイムと「こうちゃーん」という無駄に高い声が聞こえた。


高校からは別々に行こうって約束したはずなんだけどな。


頭をかきながらドアを開けた。


膝下まであるスカート。


第一ボタンまで止めた制服。

そしておさげにメガネ。


ほっぺにできたニキビが痛々しい。


幼稚園からあまり変わらないその見た目に思わずため息が出た。



はっきり言って僕はイケメンだ。

ワルすぎるわけでもなく成績も上位の方。

運動も体育祭で女子がキャーキャー騒ぐ並みにはできる。


バレンタインではクラスで1番チョコをもらっているし行事のたびに何人かには告白されてきた。


はっきり言って幼なじみがかわいければ何の欠点もないのだ。


「こうちゃん、学校早く行かないと遅れちゃうよ?」


登校時間10分の高校の入学式まであと1時間半もある。


こいつは無駄に真面目だ。それが取り柄かと思えば成績はいつも下位。

真面目なのにバカがどれだけイタいやつかっていうのはある程度社会経験を積んだ人ならわかるだろう。


あーせめて幼なじみが真面目じゃなければなあ。

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