心は社畜な転生アンデッド
青春リグール
第1話 ブラック勤めの会社員
カタカタカタカタカタ
キーボードがなる音がする……
時計を見ると、もう既に夜の11時を回ろうとしていた。
「はぁ……何やってるんだろうな、俺」
この俺、
こんなに夜遅くまで働いて、残業代はあまりでず、難癖を付けられて上司に怒られてばかり。
先輩の仕事を押し付けられて、後輩の面倒も見なければいけない。
こんな会社に働いてる意味はあるのか? と。
「うしっ、終わったぁぁぁ!」
そんなことを考えてる間に、残りの仕事は全て終えて、
やっと帰れるようになった。
「あぁ疲れた、帰ったらすぐに寝よ……うんそうしよう」
タイムカードを押すと、すぐさま会社を出て、フラフラになりながらも一歩一歩踏み出して家へと向かう。
「あれ? 家に帰るのってこんなに辛かったっけ?」
いつも以上に残業したせいか体が想像以上に重かった。
「あ、横断歩道だ止まらなきゃ」
できるだけ速めに帰らなければ、睡眠時間が少なくなるので横断歩道は嫌いである。
しかし、その横断歩道に止められた飯竿は信号が青になった瞬間にある事に気づいた。
「あの車、」
ひとつの車が、赤信号なのにも関わらずに、全く減速をしないでこちらへ向かってきているのだ。
横断歩道は一人の女性が気づかずに歩いている。
このまま行けば、彼女は轢かれてしまうだろう。
「おいおい、マジかよ」
俺が気づいたのも、女性と車が数秒すればぶつかりそうなくらいの距離だったので、声をかけても間に合わない。
そんなことを考えたら、無意識に自分の体は横断歩道へと飛び出していた。
女性は車に気づくと、動けそうも無いくらいに固まってしまった。
そのため飯竿は、飛び込んだ後、女性を突き飛ばしすことにした。
すると、幸いにも、女性は車からそれて、地面へと倒れる事ができた。
しかし、俺の方はそう上手くもいかず、車にはね飛ばされ空高く舞っていた。
「グボァァ」
全身に痛みが走る。
空を飛んだ後、コンクリートの地面へと叩き落とされたのだ。
車を見るとそのまま逃げていく様子が見て取れた。
見知らぬ人が駆け寄ってきて、
誰かに電話をしていたが、もう意識が遠のき始めていて、そんな事を考えてる余裕はなかった。
すぐに、助けた女性も、駆け寄ってきて、俺の事を抱き抱えてくれた。
「あぁ、元気でよかった」
か細くなった声でそう言うと、意識がもう極僅かしか残っていないのが自分でわかる。
そのため、女性が何か言ってるのは分かるが、何を言ってるのかまでは聞き取れなかった。
「幸せに生きろよ」
最後に、聞こえてるかは分からないが声を精一杯出して、彼女の頬を優しく撫でた。
その後、俺の意識は途絶えた。
はずだった……
あれ? おかしいな。
死んでいるはずなのに、俺はまだ何かを考えることができる。
「あ、 あ? あ〜」
なぜか、声が出る。
もしやここは天国って奴か?
「起きなさい、理久斗よ」
「うわぁっ! びっくりしたぁ 誰? え? 誰?」
急に誰かの声が聞こえたので驚いた。
なぜ俺の名前を知っているのだろうか?
俺のことを下の名前で呼ぶ人なんて、母さんか父さんか妹くらいだぞ?
そんな事を思いながら俺は目を開けると、そこには驚くべき情景が広がっていた。
心は社畜な転生アンデッド 青春リグール @sei_rigu
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