3話目:全ての人が同じな訳じゃない!

 突然だが、これを読んでいる皆さんの平熱はいくつだろうか?身近な人間(父とか叔母等)の平熱は、普通に36.4度とか36.7度とか、少し高めです。皆さんもそんな感じでしょうか。

そんな事を聞くお前は平熱なんぼやねんと聞かれたら、私の平熱は36.1度と低めです。母に至っては、35.5度と私より低いです。それによって、小学生の頃に子供心にショックを受けた事があります。


 それは小学三年生の時ですね。理科の授業で、自分の体温を一週間分測りましょうと言う宿題が出ました。別に難しくない宿題でした。

 さて、一日目に測った時に表示された数字は、36.2度でした。教科書に人間の標準体温は36度台とあるけれど、教科書通りじゃない。自分がおかしいのかと思って母に聞いたところ、そういう体質である事とそういう人もいるという事を教えてもらい、納得しながら一週間体温を測り続けました。

 さて一週間後です。その宿題は、理科の時間に皆で発表する事になり、各々自分の平熱を発表していきました。みんなの平熱は36~36.6の間といった感じで、35度台というのはいませんでした。しばらくして、自分の平熱を発表すると周りからはヤジが飛んできました。小学生という年頃は、中々な事を平気で言ってきます。(ここでは省きますが、まぁ嘘つきや変なのと言うのは普通でしたな)

 普通ここで頼りにするのは先生です。平熱が低い人もいるんだよとまではいかなくても、せめて人それぞれである事は言うもんだと思いましたが、我が担任はそうではなかった。

 「駄目だよ、中村さん。ちゃんと測ってこなくちゃ。普通はそんなに低くないんだよ。もう一度測ってきて、提出してね」

 口は悪くなりますが、こいつ今何て言いやがった?普通はそんなに低くないだと?いや、ちゃんと測ってこの体温だし、うちの母も測ってくれたが、35.7度だったわい!とここまでとはいきませんでしたが、こんな事は思いました。自分が宿題をやってこなかったように言われたのも嫌でしたが、自分や母が普通の人ではないと言われているみたいで悲しかったし、なんとなく母を馬鹿にされたようにも感じました。

 さて、やり直して来いと言われた宿題ですが、ちゃんと測っても同じ結果にしかならないので、それこそ平均的な平熱になるように嘘を書きました。それを見せた時の担任は、

 「ほらね、ちゃんとこうなったでしょ。今度からはちゃんとやろうね」

 それから卒業するまでの三年間。元の性格や障害(ADHD)もあったと思うけど、宿題をやらないという悪行に染まっていきました。あまり良くない反抗だったけど、ここまでしてやりたかった!この件は正直に母に申告し、母から担任に話しはしてくれたようです。

 正直に言うと、平熱が低いというのはしんどいです。他の人が微熱だと思う体温も、私達には高熱手前くらいだったりする。同じく平熱の低い友人のОは、小学生時代に37.5度を微熱と判断されて早退出来ず、結局帰宅してから自宅でぶっ倒れたそうです。

 平熱36.1度……嘘じゃありませぇぇぇぇん!!


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経験した事へのうっぷん晴らし 中村彩香 @karara9559

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