賢者は転生して杖職人になりました。 黒銘菓短編集29弾

禁忌指定杖

杖職人シモン。元賢者。

賢者の頃の異名は『杖の賢者』

杖の作成において『悪魔も羨望する杖を作る』とまで言われていた。

転生して能力こそ低下したものの、技術と経験はそのまま。

軽くバランスブレイカーな性能の杖程度なら作れる。

「四天王を倒すとは…見事なり(ガクッ)」

「スーちゃん凄い。」「いえ、造作も有りません。」

魔王四天王を〆たスライムを召喚したり、

「カップ麺～(鼻歌)。」

湯を沸かそうとして湖を蒸発させたり、

「朝顔日記…杖を振ったら巨大化してランドマークが出来ました。」

植物の成長暴走をさせたり…

「この魔王！容易く倒せると…アベシッ」

魔王を杖で殴ってTKOしたり…

最近起こる杖の事件は大概がこの人のせい。

「おー!!出来た！現段階での最高傑作!!

これなら月を重力場で地球に叩き落とせる。

………これなら…\29800(税込)が妥当かな？

世界を滅ぼす級の杖をニーキュッパで店頭販売するナチュラル鬼畜黒幕のせいで今日も世界は滅亡の危機に瀕していた。

魔王：え？マジ？世界滅びかけてるの？知らない！私知らない！

賢者：さぁて、次はどんな杖作ろうかな？火山噴火させるやつとか？

世界は危機に瀕していた。