賢者は転生して杖職人になりました。 黒銘菓短編集29弾

黒銘菓(クロメイカ/kuromeika)

おそらく世界一軽いノリの異世界転生

グギガギドガシャン!!

およそ人類の体から聞こえたら不味い音が聞こえる。

賢者シモン(125)

流石の賢者も腰痛には勝てなかった。

「よし!転生しよう!」

規格外の存在はあっさり決断した。






「出来た?」

「はい、ユイン=タツミ様。ご依頼の杖です。」

そう言って杖を差し出す。

「有り難う。また来るわ。」

「有り難うございます。

シモン杖店へ又のご来店を。」

元賢者は転生して杖職人になりました。





「召喚!」

ユインは杖を振るって魔方陣を描く。

彼女はサモナー。魔物召喚のプロだ。

シモン杖店に修理を依頼していた召喚用杖が直り、早速召喚をしていた。

「出てきて、スーちゃん!」

仲良しのスライムを呼び出す。

魔方陣から水色の塊が飛び出した。

「オヤ、お久しぶりです。ユインさん、今日は龍でも狩りますか?」

魔方陣から飛び出したのはイケボなスライム。

燕尾服を身に纏い、丁寧に頭を下げた。

「……誰!?」

「ユインさん酷い!

私です。スーです。」

知らない。こんなイケボ執事スライム知らない。

「……あ、格好が。

ユインさん、その杖、その杖の効果です。

杖のお陰で私の真の力的なsomethingが目覚めたんですよ。」

「はい?」


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