第1話 新しい朝が来た

『新しい朝が来た。希望の朝だ。喜びに...』

僕は長年の日課であるラジオ体操をいつも通り第1から第3までした。


「新しい朝が来たーーー!」


そう今日は高校生になって初めての朝である。つまり今日は待ちに待った入学式。


現在は6時。入学式は9時からなので、学校に8時にはついておきたい。登校にかかる時間は30分程度なので、まだまだ時間はある。


「何しようかな〜」


寝る前に入学式が楽しみすぎて準備がほとんど完了してしまった。つまりものすごく暇なのである。テレビでも見るか。


『昨日、日本国軍の習志野駐屯地で拳銃、アサルトライフル、手榴弾等が盗まれました。日本国軍は...』


「物騒だなー」


現在、拳銃等の銃火器は魔法の発現により、それほどの脅威となってはいない。ただし、魔法を使いながら発砲するのは現在、個人に対しては最も有力な戦い方とされている。でもそんな軍しか知り得ようがない魔法を盗人が知ってるはずがないだろう。


時は流れ7時20分。


「ちょっと早いけどもう行くか。」

そう呟いて僕は家の玄関を出た。ガレージにある車に乗り、学校へ出発した。


現在、車は全て完全自動運転になっていて、機械に目的地を打ち込むと、到着予定時刻を表示されてしっかりとその時間に到着する。


僕は目的地の欄に〔東京都立魔法高校〕と入力した。


*


『これより東京都立魔法高校、入学式を行います。』


ついにはじまってしまった。ものすごく緊張する。どうしよう。

そう思っているうちに時は流れた。


『新入生代表挨拶。深上みかみ 彩華あやかさんよろしくお願いします。』


ん?深上?どこかで聞いたことがあった気がするんだが..。うん、忘れた。


『太陽の光が満ち溢れ、命が生き生きと活動をはじめる春に、私たちは東京都立魔法高校の入学式を迎えることとなりました。本日は...』


その時だった。ドンッという大きな爆発音とともに講堂に様々な銃火器を手に持ち、黒ずくめの男たちが入ってきたのは。


「お前ら全員、手を上げて頭の後ろで組め!組まないと、」


そう言っている途中で男は風の魔法で吹き飛ばされていた。

せめて最後まで言わせてあげようよ。


「組まないとどうなるんですか?まあ、答えられないと思うけどね。」


そう言った彼女は当校生徒会会長である深上 麗菜れいな先輩だ。あ、深上。彩華さんは妹だったのか。


会長が次々と男たちを倒して行く。それに続いて生徒会メンバーが様々な魔法をつかい、男たちを倒し、拘束していく。

という感じであっさり乱入者を撃退した。その10分後、警察が到着し、乱入者を連れていった。


『改めまして、新入生代表挨拶。深上 彩華さんお願いします。』


え、まだ続けるんだ。なんかすごい。


その後、入学式に乱入者がはいってくるなどということは...、もちろんなかった。


『これで入学式を終わります。新入生の皆さんは下校しても構いません。もちろん、学校を見て周りたい人は見ていって下さい。』


ぞろぞろと講堂から生徒が出ていく。

ふぅ、やっと終わった。かなり緊張した。僕もそろそろ帰るか。


「ねえ、そこの君ー。」


ん?なんか聞こえた気が..。まあ、僕が話しかけられることはあるはずない。


「ねえねえ、君だよ君!」


多分幻聴だろう。誰かに話しかけて欲しいからって、脳内再生するのはやめようぜ、僕。


「ねえちょっと、何で無視するの?」


まただよ。やばいよやばいよ。今日はすぐに寝よう。うん。

と思ったときに誰かに肩を掴まれた。僕が後ろを見ると女子生徒がいた。確か隣に座ってた新入生だ。よくよく見るとものすごく美人ではないか!


「何でさっきから無視するの?入学早々からいじめですか?何なんですか?」

「え?僕?」

「あなたしかいないでしょう!」

「ごめん、まさか誰かに話しかけられると思ってなくて。」

「まあ、いいわ。私は日村 叶奈かな。よろしくね。」

「僕は真影まかげ 天空そら。こちらこそ、よろしく。」

「ねえ天空くん、このあと一緒に学校見ていかない?」

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ときには晴れ、ときには雨 工作 @kusaku

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