ときには晴れ、ときには雨

工作

プロローグ

2123年現在、一世紀程前には空想の産物でしかなかった魔法を、2025年2月14日に人類が突如として使えるようになった。


全ての人類が魔法を使えるようになり、魔法に関する法律が元々あるはずがなく、世界中で治安が悪化していった。


各国政府は迅速に魔法に関する法律をつくったが、多くの国でその内容に不満を持った国民が少なくなく、政府と対立していった。その対立した国民は「レジスタンス」と呼ばれた。


レジスタンスは政府に法律の見直しを要求したが、拒否され徐々に暴徒化していった。


2032年4月26日、各国のレジスタンスが纏まり、各国政府に宣戦布告をし、第三次世界大戦がはじまった。


当初は政府が勝つだろうと予測されていた。しかし、発現して間もない魔法というものが未知だった。ときには核ミサイルを防ぎ、ときには爆発を起こした。


各国政府は多くの戦いの敗戦により、戦闘員が足りなくなり、徴兵令を出した。しかし、それに国民が反対し、戦闘員不足が深刻となった。


レジスタンスはそれを好機とみて、攻め込んだ。勝敗の直接的な原因はこれだった。


2038年9月6日、約6年間に及ぶ第三次世界大戦はレジスタンスの勝利で幕を閉じた。


大戦が終わり、魔法の研究が進むにつれて判明したことがあった。それは、魔法発現後に生まれた子供たちの方が、発現前の人々よりも魔法を多く使うことができるというものだった。


そのため各国新政府は魔法に関する教育を小、中学校、高校に取り入れた。


そして2123年、世界情勢は過去と同じくらい、いやそれ以上に大きく動こうとしていた。このことには抗えないだろう。たとえ、権力者であっても。たとえ、魔法に秀でたものでも。

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