出過ぎた釘は打たれない。

金木犀もくもく

出過ぎた釘は打たれない。

夏が終わりを迎える。日常に楽しさが増せば増すほど、自分の学生生活これでいいのかなとか、このまま終わっていいのかなとか、年頃大学生だから悩む。はたまた、悩むフリをする。


いつからこんな湯葉よりも薄っぺらくて、ハイボールよりも安い人間になってしまったのか。はたまた、端からそうなのか。困ったものだ。


しかし、私のように薄くて安い人間なりに思う事もある。

この差別が塗れる社会じゃ持ってる金で未来が決まり、格差が広がる一方なのに税金は上がる。年金がもらえる保障もない。ホームレスは道に溢れるし、朝の街はゴミで溢れる。やりたい仕事すらできやしないし、したくもない仕事を辞めれば、最近の若い奴等はと言われる。一歩コミュニティを脱したら、信じたい神すら信じさせてもらえねえし、政教分離はカタチだけのお飾り。何秒に1人ってペースで人間が死んでいくのに、何秒に1回のペースで犯罪が起きているのに、当たりもしない占いを流す朝のニュース。娘を殺された遺族に群がり取材をするカメラは、娘を刺した包丁よりもずっと鋭いって解らないのか?

はたまた、身近なところで言えば、学歴社会はクソだと言い張りながらも結局怯えて単位だ就活だに縛られる自分達。


こんなしょーもない時代に産まれたからにはしょーもなく育って、しょーもなく死んでいくのが真っ当な生き方らしい。


実に住みにくいけど、そーやってどんな失敗もいくらでも社会のせいにできちゃう世界だ。


なにやら、他人に期待することはよくないらしい。新約聖書(恋愛の教科書)が言ってた。

はたまた、失敗を他人のせいにするのはよくないらしい。これは親(道徳の教科書)が言ってた。


けど1番タチが悪いのは自分に期待しない事らしい。これはあくまで21年間の経験則に基づく。


自分に期待をしないということは、本当に自分に期待をしていないのではなく、自分に期待をしていないということにして、自分の失敗から目を逸らし、自分を守ってるだけに過ぎないのだと。隣の家の犬がよく吠えている。


それもそうだ。そもそもこんな薄くて安い人間を他人が期待してくれると思う方が厚かましい。そうなれば、自分が自分を期待してあげなければ可哀想だろう?


自分の事を期待して、期待して、期待して、期待する程、失敗した時、顔からそれは熱い火が出る。それでもって、その火が何かを変える熱量になるんじゃないのかと。


こんな駄文を読み進めてくれた事に感謝する。


出る釘端から打たれまくる今日でも、出過ぎた釘は打たれない。


だから元気出しなよ。

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