17話 お茶会
簡単な自己紹介の後、お互いをもっと知る為にお茶会をしようという麗香さんの提案で、僕たちは彼女のお部屋にお邪魔することになった。
「そう言えば、お二人は朝からどうして脱衣所にいたのですか?」
部屋に向かう途中、前を歩いていた麗香さんがふと後ろを向き、そう問いかけてきた。彼女にとっては何気ない問いかけだったのだろうが、今の僕にとっては答えづらい質問だ。もし、「お風呂に入ろうとしていました」などと答えて「では、後で一緒に入りませんか?」などと言われたりしたら対応に困る。だから、下手なことは言わないほうがいいだろう。そう考えて、僕は無難な理由がないか探した。
(脱衣所にいて風呂に入る以外の無難な回答……? ないだろ……)
「え、えっと。脱衣所に……興味があったんです」
そんな僕の返答に隣にいた栞が腹部をつついて、小声で焦ったように言った。
「に、兄さま。脱衣所に興味があるってどういう意味ですか!? もうちょっと普通の理由はなかったんですか」
栞が焦っているのとは対照的に麗香さんは考え込むようなしぐさをしてから答えた。
「脱衣所に興味ですか……。まぁ、確かにアルトピアーノ寮の脱衣所は大きいですから、寮生活などをしたことがなかった方には興味が出るものかもしれませんね」
麗香さんはそう言うと、突然足を止めた。
「着きましたよ。ここが私のお部屋です」
そう言われて前を見てみると202号室の札がかかっていた。
「え!? お隣だったんですね」
「え!? うそっ」
僕と栞が驚いている間に麗香さんは鍵を開けて、すでに中で手招きしていた。
「由美さんも栞さんもそんなところで立っていないで、中に入ってきてください」
そう言われて部屋の中に入ると目の前にある、屋根の付いたベッドが目に入った。たしか天蓋付きベッドと言われている物だったと思う。そのほかにも、調度品やシャンデリアなども付けられておりお嬢様の部屋といった感じだ。
「あ、あの? お兄様あれは……?」
そう言って服を引っ張てくる栞が指しているほうを見てみると……。
僕は妹ちゃんのために女学院に女として通うことにします。 ラーア・マリティ・スクートス @retaarnngausu
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