愛加ルート
Common Story終➔バッドエンド1話 刻まれた初恋
カフェに愛加達と行ったその翌日。
「ねぇ、雅也。一様伝えておきたいことがあるんだけどお昼にいいかな?」
1時間目の授業が終わり新しくできた友達と今度の体育祭や文化祭について話していると美麗がひそひそ声で話かけてきた。
「おう、なんだ雅也? また嫁さんのアタックか?」
友達の一人がそう言うと、周りのみんなも「ヒューヒュー」などとまくし立ててくる。このやり取りでもわかるようにクラスでは美麗と僕は夫婦扱いされるようになってしまったのだ。
「だから、そんなんじゃねえよ」
今まではこんなことなかったのに、めんどくさいなぁと思いながら否定だけはしっかりとしておいた。
「え~と悪い、それで昼はどこいけばいいかな?」
「屋上でよろしく、くれぐれも愛加には内緒でお願い」
そう言って美麗は教室を出て行った。
▽ ▼ ▽
その日の昼休み僕は背中に誰かの視線を感じながら屋上に向かった。
「それで伝えておきたいことって何かな? ん? 美麗?」
屋上で美麗を見つけて声をかけたのだが美麗は遠くを見ながら涙を流していた。声をかけるべきだと思ったのだが今は触れてはいけない気がして横で黙って待っていた。
「雅也は今まで恋したことある?」
顔はまっすぐ遠くを見たまま、とうとつに美麗は話しかけてきた。
「どうだろうね、あるかもしれないしないかもしれない」
なんて答えていいかわからずに僕はそう答えていた。でも、僕の声は自分でも感情がこもってないようで不気味だった。
「そっか。だったら気を付けて」
「な、なにに?」
「多分だけど雅也の周りには何よりも雅也を愛してる人がいるよ。もしかしたらその人はストーカーかもしれないし、監禁趣味があるかもしれない。ないとは思うけど襲われるかもしれない」
そこまで言って美麗は言葉を切った。
「なんでそんなことがわかるんだ?」
僕がそう聞くと美麗は涙をぬぐって笑顔で僕のほうを向いて、言った。
「女のカンってやつだよ」
それだけ言って美麗は屋上へと続く階段へと向かって歩いて行った。その時、風に流れて聞こえた言葉はきっと気のせいだろう。
(ばいばい、私の初恋。)なんて美麗の声が聞こえるはずがないのだから。
女の子のちょっかいには「 」女の子の忠告には「 」 ラーア・マリティ・スクートス @retaarnngausu
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