引退した怪盗は何を憂う?




私は、怪盗ゼロは引退した。

取り敢えず悪さする連中の財布は粗方空に出来た。

もう、意味はない。


しかし、俺の模倣犯が流行りだし、そうも言えなくなった。

怪盗とは名ばかりの暴徒が蔓延した原因は俺にある。責任を取る。

僕は新たに『怪盗分析家』と名乗り、警察に協力を打診した。

「怪盗ゼロ」の名前を出して。


最初は僕の提案を躊躇っていたけど、『僕を捕まえられない事』・『試しにやったアドバイスが効果的だった事』。

この二つが功を奏した。


俺様を否定出来やしねぇ。

アイツらに俺様以上に偽怪盗潰しは出来ねぇ。

そういう訳で俺様は偽怪盗を潰す仕事をする事になった。





俺はあくまで美学を持ってやる気だったのに………………まぁ、それは良い。



「チクショー!なんで捕まった⁉」

当り前だ。

某がどれだけ盗んできたと思っているんだ?




大怪盗時代を始めたのは私だ。




なら、俺の手で終止符を打つ。


偽の怪盗達を捕まえる。





偽怪盗達の自由を根こそぎ奪うのが吾輩の最後の仕事だ。

待っていろ。偽怪盗。










真の怪盗、ゼロから逃れられる者はゼロだ居ない

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『元怪盗の教える怪盗の上手な仕留め方』 黒銘菓短編集27弾 黒銘菓(クロメイカ/kuromeika) @kuromeika

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