透明感ある本格ファンタジー。
風や水などが魔法と美しく絡んでいて、全体的に神秘的な雰囲気が漂う物語です。
前半は淡々とした穏やかさで、でもどこか不穏な気配が漂う印象なのですが、第4章で明かされる真実に急転直下、物語は面白さを増して進みます。圧巻のクライマックス、ホッと優しい気持ちになるエピローグまで、とにかく面白い。
読んで損なし。
この世界感、物語の緻密さ、凛とした魅力がいっぱいのキャラクターたちを知らないなんてもったいない。
読みやすく、それでいて流暢で的確な描写は正統派の上手さがあります。
まだまだこの作品の素晴らしさ、面白さ、魅力を、私なんぞでは、全く表現できてない。もどかしさでいっぱいなので、とーにーかーくっ、読んでその目で確かめて頂きたい!!! 私、こういう作品大好きです!!!!
最初から面白いなと思って読んでいたのですが、まさか最後の最後までこんなに面白いとは、作者様の筆力に脱帽です。
世界観の構築や魔法、さらに戦闘場面も素晴らしい描写です。
特筆すべきは美しさ。どんな場面でも、美しさが漂っているのです。
登場人物それぞれのキャラクターも良く、主人公のミササギ様はもちろん、脇を固めるキャラクターたちもそれぞれ魅力的です。
ちょっとした瞬間に垣間見えるキャラクターの素顔に、おおっ! となります。
しかしキャラクターに夢中になるばかりではいけません。この作品、伏線が色々とあるのです! そこを見逃さずにきちんと読んでいけると、後半、面白さは倍増だと思います。私は作者様に見事にやられましたけれどもね。
魔法使いの中でも特別な存在「モルス」であるミササギ。
彼と従者シルワのもとへ、王城に魔物が迫っているとの報せがきて……。
連載中「デア」まで読了時点のレビューとなります。
先のモルスである老人の死から物語は始まります。
彼の死についてはその後も物語の中でときどき現れ、嫌な噂もされていますが、真相はまだ分かっていません。
これは王国やミササギ自身をめぐる秘密の一つかと思っています。
第一印象では主人公ミササギが少し怪しく思えましたが、読み進めていくととても頭脳明晰で確かな人格者だとわかり……大変カッコイイです。
従者であるシルワも魔法を使えるよう精進していくのですが、彼女もとても可愛らしい。
キャラの立ち方は千差万別ですが、トゲトゲしてなく、かといって埋もれてしまうほど薄くもなく好感を抱かせる……こういった絶妙な描き方は作者様の筆力の高さを物語っていると思います。
御霊送りの儀、禁忌の魔法陣など……ファンタジーの魅力あふれるキーワードもたっぷり存在し、要所要所に散りばめられた謎が少しずつ明かされていくのが大変楽しい作りとなっています。
これからも追って拝読していきたいと思います。
どうか最後まで執筆がんばってください。^-^