駆け出し冒険者マリィの決意

 硬質化した空気の槍が巨獣人の眼球を押し潰し、怪物の右側頭部が抉り取られたように爆砕する。木こりに伐り倒された巨木めいて、巨獣人は背中からゆっくりと仰向けに倒れていく。マリィの足首を掴んでいた巨獣人の節くれ立った指が緩み、彼女の身体は宙空へと投げ出された。

 落下速度を低減する戦術魔導スペルスクリプトもあるにはあるが、とっさには発動できないのが押しなべて戦術魔導スペルスクリプトの弱点でもある。精霊仮契約インポートからの精神集中による術式構築コーディング、そして発動ランまでの時間差を埋めるには、先んじて簡略術式バッチシェルとして起動させる必要がある。もちろん、そこで失われる魔力は人間一人を昏倒させるだけの量を必要とするため、魔石持ち以外には使えない手段ではあったし、今回に限れば、巨獣人を油断させるために前もって術を起動せずにいたのが裏目に出たと言えるだろう。

 つまるところ、高所から物を落とせば、またたく間に地に落ちるのは万物の理であり、マリィは為す術もなく木の根の張り出した地面に背中から叩きつけられた。


「ぐべっ――」


 しかも受け身を取りそこねた。

 落ちた衝撃が折れた肋骨に響いて息が詰まり、悪童クソガキが壁に投げつけられたヒキガエルのような苦鳴が、噛み締めた奥歯の隙間から漏れた。舌を噛まなかったのは僥倖だろう。


「ぅ――――ッ、ゲェホっ、オボッ――ゴホッ……!!」


 痛みが少し収まった瞬間を見計らったように、詰まっていた息が堰を切るように肺を膨らませるが、同時にベタベタに乾いた唾液が気管支に入り込み、盛大にむせてしまう。これは負の連鎖だ。咳き込むたびに肋骨が軋み、腹筋が痙攣する。宙吊りにされたことも相まって、痛みに視界が赤く染まった。

 何度か全身を震わせながら肺が空になるまで咳き込んで、肩を上下に激しくゆすりながらマリィは仰向けに寝転んだ。


「ざまぁ……見ろ――、ってんのよッ!」


 湿っぽい土の上で大の字に倒れたまま、マリィは喝采とともに天に向かって魔石のガントレットを装着した右拳を高く突き上げ、強く握り締めた。そして軽く開いてみたり、小指から順に折り曲げてみる。指先まで覆う鱗状の鉄片が擦れ合い、独特の金属音を奏でるが、指先――そして肘に違和感はない。


(ぶっつけ本番だったけど、『肉体修復リペアボディ』が上手く行って良かった……)


 肉体の損傷を修復する戦術魔導スペルスクリプトがマリィの狙い通りに実行されたことを、彼女は安堵とともに、粉砕骨折と筋繊維の断裂、その他様々な右腕の創傷が高速で修復される感覚――皮膚の下で、言葉に出すのも悍ましい黒光りする害虫が這い回っているとしか言いようのない感覚を思い出して身震いした。さっき折れたばかりの肋骨も治すべきなのだが、あの感触を短時間に連続で味わうのは、ハッキリ言って遠慮したい。だが、先延ばしにして良い傷ではないのも事実だ。

 今は戦闘中の精神的昂揚で痛みを感じにくいが、この興奮が醒めれば痛みは一気に襲ってくるだろう。そうなれば、添え木を当てて固定していた右肘よりも、息を吸う度に激痛の走る肋骨の方が何倍も精神集中の妨げになる。


『克己:肉体』ロード・フィジカル『実行:肉体修復』リペアボディ――」


 マリィは痛む脇腹に右手を当て、戦術魔導スペルスクリプトを起動させた。筋繊維の隙間で這いずる多足性の蟲どもが交尾でも始めたかのような不快感を味わいながら、枯れ枝のように折れた骨を接合する。

 戦術魔導スペルスクリプトの中でも治療系統の術は高度だと言われているが、その中でも『肉体修復リペアボディ』は骨折などの肉体の損傷を文字通り修復する事が出来る高位の術式だ。断面が鋭利ならば、切断された四肢ですら接合することも理論上では可能だと言われている。

 もっとも、それを実現するにはマリィの右手に装着つけられた魔石のガントレットのような潤沢な魔力リソースを必要とするし、胴体側も切断された時と同様の状態を維持する必要がある。止血のために傷口を焼いて塞いでしまえば、完全な修復は不可能だ。切断面がきれいな場合はまだ良い。醜く引き裂かれた肉体を元通りに修復するのは粉々に割れた花瓶を直すのと同じで時間がかかる。となれば、その間に怪我人は失血で死ぬ。だから一般的には戦術魔導スペルスクリプトの治療術ではなく、薬師の調合した薬草や外科手術による縫合の方が信頼されている。

 何より、失血や失った体力を復調させることや疲労を回復させることは、戦術魔導スペルスクリプトでも不可能だ。


(傷を治して、早くエイハブと合流しないと……ッ!)


 骨折を癒やし、全力疾走したことによる疲労で鉛のように重い身体を起こすと、マリィは散らばったエイハブの荷物をかき集めた。乱暴に背負い袋に押し込み、周囲を見渡す。

 森は、死んだように静かだった。

 剣戟も、怒声も、何も聞こえない。先ほどよりも数を増して小雪のように降る『灰』アッシュが音を吸ったかのように、森は霊廟のごとく不気味なほど――そして侵しがたい聖域のように静謐だった。

 森を浸していた空気が変わったこと――すなわち戦闘が既に終わったことは、駆け出し冒険者のマリィにも理解できた。

 だが、どちらの勝利かは分からない。

 エイハブと巨獣人2匹。あのインチキめいた魔道具を操る盗賊たち四人を瞬く間に屠って見せた傭兵が、図体ばかりの獣人に後れを取るとは到底思えないが、数日前にブート&ガントレット盗賊団という、あり得ない連中を知ってしまった以上、何が起きるか分からないのが世の中の理なのだと、マリィは何となく悟っていた。


(事実は小説よりも奇なり……ってのは何度も聞いたことある言葉だけどさぁ……)


 もし数日前の自分に「今、自分をレイプしようとした盗賊が持ってた魔石の籠手で巨漢の獣人をやっつけたところ。学生時代に一度使って昏倒した『風突槍弾』ウィンドジャベリンで」などと教える事が出来たなら、どんな顔をするだろうか。恐らく黒麦酒と誤って濃い口の麺つゆを飲んだ時のような顔をするに違いないだろうが、言うまでもなく事実である。


(仮定の話、としてだけども)


 信じたくもない出来事こそ起きる、と言ったのは誰だったか。

 戦術魔導を無尽蔵に操る盗賊たちによって冒険者仲間が殺されたように、その盗賊たちが流浪の傭兵に倒されたように、あの傭兵が倒される可能性だって考えねばならない。


(だけど、今の私なら――この右腕ガントレットがある今なら――)


 戦える。

 私は、悲鳴を上げて逃げ回るために冒険者になったんじゃない。マリィ・サリィ・レイニィにとっての夢を成し遂げるために冒険者になったのだ。


「待っててよ、エイハブ」


 知らずのうちに強く握りしめていた右手を開く。

 防灰マスク代わりに、マリィは肌着の襟元を引っ張って口と鼻にあてがった。ただの綿布では心許ないが無いよりはマシだ。この肌着はびろびろに伸びてしまうだろうが、肺病になるよりずっとマシだろう。

 背負い袋を担ぎ、マリィが立ち上がった瞬間だった。


 ――ぱきん。


 エイハブと別れた方角に向き直った瞬間、木々の狭間から小枝が踏み折られる乾いた音がマリィの耳朶を打った。全身が総毛立つ。マリィは右手を向けて身構えた。


「誰ッ!?」


 誰何は悪手だったかもしれない。指先を音の聞こえた方向に向けながら、マリィはゆっくりと後ずさった。声を出せば、無駄にこちらの位置を知らせるようなものだ。獣人部族であれば人間の言葉は、おそらく通じないだろう。数だって向こうの方が上。ならば気合と気迫と剣幕で圧倒するしかない。マリィは素早く息を吸い込み、先程よりも大きな声で叫んだ。


「そこにいるのは分かってンだよ!! 今から3つ!! 3つ数えるうちに武器を捨てて出てきなさいッ! さもないと全周囲に衝撃波をブッ放すッ!! 『精霊仮契約:風霊』インポート・エアロ『実行:疾風撃衝ウィンドミルブラ――」

「――って、オイコラ! 待て待て!! 数えろよ、3つ! 何、いきなり戦術魔導スペルスクリプトを撃とうとしてんだよッ!?」


 慌てた様子で、がさがさと枝葉をかき分けながら出てきたのは、前髪に一房の銀色が入った黒髪の傭兵、エイハブ・ロウだ。マリィは実行寸前だった空間爆砕の戦術魔導スペルスクリプトを強制停止して、彼の元に近寄った。


「無事だったの? 怪我は?」

「まぁな。見てのとおりだ。さすがにデカいの2匹が相手はくたびれたがね。嬢ちゃんも……というか、そっちの方がひでえ有様だな。泥だらけだ。イノシシみたいに沼田ヌタ打ちまわったみてえだ」


 夜目が効くのだろう。エイハブは年寄りじみた仕草で、おどけるように肩をすくめてみせた。

 森の闇に紛れる黒いジャケットは端々が擦り切れてはいたが、彼自身は傷らしい傷を負っていない。むしろ右腕と肋骨が折れてたマリィの方が重傷だったと言っても過言ではない。今は、魔石のガントレットを魔力源に『肉体修復リペアボディ』を使ったおかげで軽傷程度には回復しているが、彼女が傷だらけなのは夜闇の中でも明らかだ。もしこの場で満身創痍のコンテストが開催されたなら、マリィが上位入賞、エイハブは予選落ちの結果になるだろう。


「うっ……泥だらけなのは仕方ないじゃん。逃げ回るのに無我夢中だったんだし……あぁ、早く森を抜けて湯浴みしたい。せめて水浴びしたい。服も洗いたい。今の私、うら若き乙女が醸していい匂いじゃない気がする」

「俺の古い知り合いには、身体を洗ってない女の匂いが好きって物好きもいるぞ」

「……最悪。このタイミングで一番聞きたくない性癖の交友関係ね」

「そう言うなよ。傑作なのはこれからさ。そいつが寝ている時、鼻先に匂いのキツいカビたチーズを置いてやったんだが、寝ぼけたそいつが何て言ったと思う?」


 マリィは無言でエイハブに半眼を差し向けた。抗議のつもりだったが、傭兵は気づいてないのか――あるいは、気づいた上で無視したのか――思い出し笑いを浮かべながら、問いかけの答えを明らかにした。


「『おい。マリアンヌ、風呂に入ったな! もう一ヶ月体を洗うな!』って怒鳴りやがったンだよ! どうだい、傑作だろ?」

「超最悪。物心ついてからこれままで一番、どうでもいい話だったわ……」

「おいおい。寂しいな。傭兵仲間にゃ、最高にウケがいいネタなんだぜ?」


 膝を叩いてゲラゲラと笑うエイハブにうんざりとした顔を投げつけ、マリィは深く嘆息した。命の恩人でなければスネを蹴り飛ばしてやってるところだ。


「……で、嬢ちゃん。その右腕はどうした? 何で、お前さんが魔石のガントレットを着けてやがるンだ?」

「え――っ!?」


 唐突に、傭兵の纏う雰囲気が変わった。

 下品で陽気に笑っていた表情は一変し、氷のように固く冷たい眼差しがマリィを射抜いていた。彼の視線からは、仲間を失ったばかりの駆け出し冒険者の小娘に食事を振る舞った男が見せた温かみは一切消えていた。

 あるのは、鋼のごとく硬質な強い意志。下手な答え方をするな、とマリィの本能が告げている。


「あ、その……これには色々と理由がありまして……」


 巨獣人と相対した時以上の緊張感が、無意識のうちにマリィの喉に固唾を呑みこませる。

 巨獣人から逃げ切れず絶体絶命だったこと。

 右腕が折れたままでは巨獣人を倒せない。だから右腕を修復するのに必要な魔力を補うためにガントレットを使ったこと。

 巨獣人を一撃で倒すため、強力な戦術魔導を起動に実行するための魔力をガントレットで補ったこと。

 震える舌根を悟られぬよう、マリィは言葉を絞り出しながら説明を続けた。


「つまり、その……緊急避難って言葉があるでしょ? 私だって、こんなシロモノ悪用するつもりはないし、これを使ってたヤツに私は犯されそうになったわけだし、今も見るだけで思い出して腹立ってくるんだけど――とはいえ、こんな危ない森だったら自分の身ぐらいは自分で守りたいじゃない? エイハブが武器で戦うように、私は戦術魔導師だから使うのは戦術魔導スペルスクリプトで。でもさ、戦術魔導スペルスクリプトは常に魔力の枯渇って弱点を抱えてて、それこそ獣人を一発で仕留める威力の飛礫だって四・五発撃てれば御の字。それ以上は昏倒間違いなしなの。起動実行までの集中力だって馬鹿にならないし、ガードしてくれる前衛がいなきゃ、私ら戦術魔導師なんて、ただのお荷物。だけど、この鉄の魔石で出来たガントレットなら、魔力切れのの心配はないわけだし、魔力の枯渇がなければ精神集中を簡略化する魔導短縮ディフ・スペルだって構築できるし……というわけで、その……ええっと……そのぉ……このまま貰っちゃ、だめ?」

「駄目に決まってンだろ」


 長々と説明したにも関わらず、返ってきた言葉は非常に短かった。

 だが、エイハブの全身からは先程までの苛烈な威圧感は身を潜め、呆れたと言わんばかりに長い長いため息を吐いていた。


「やめとけやめとけ。駆け出しのガキンチョが下手に力を持つと面倒なことになるだけだぞ。そもそも、そのガントレットは王都の学院や魔導師協会に持っていけば、ファラミィ金貨で一万枚は下らないシロモノだろうが。売り払って代金を山分けにした方が、よっぽど建設的だろ」

「き、金貨一万枚ッ!?」

「ああ。それだけあれば死んだお仲間を弔っても余裕だろう。お前さんは残りの金で平和な余生を過ごせばいいさ」


 ぎょっとしてマリィは自分の右腕で鈍く光るガントレットを見下ろした。

 金貨一万枚。エイハブと山分けしても五千枚。ファラミィ金貨七枚が駆け出し冒険者の一ヶ月の宿代と同額だとすれば、五千枚は破格だ。確かにエイハブの言う通りミルトンとアンバーの葬儀を行ってたとしても充分有り余る。

 魅力的な提案だ。マリィも、ただの冒険者であったなら、その提案に二つ返事で乗っかっていただろう。

 だが――

 目をつぶり、マリィは静かに首を振った。


「……駄目。その提案には頷けない。アンタは命の恩人だし、金貨五千枚は魅力的だけど――父親でもないのに勝手に私の人生計画を決めないでよ。いや、父親にだって私の生き方を決めさせたりしないけど……」


 まぶたの裏に浮かぶのは埃の舞う薄暗い屋根裏部屋。窓際の寝台。痩せ細って乾いた肺病患者特有の青白い肌――

 想い出を振り払うように双眸を開いて、マリィはじっとエイハブを見つめた。


「……私が冒険者になったのは、世界を見たかったからなの。そりゃまあ冒険者をやるのに先立つ物は必要だけどさ。この『灰』ばかり降るクソッタレな世界のどこかに『灰』の降らない土地があるンじゃないか――って、それを探し出したくって、冒険者になったの。それを見つける前に引退なんて願い下げ。絶対に嫌」


 それが戦術魔導師ではなく、冒険者として生きると決めたマリィ・サリィ・レイニィの矜持。祈り。願い。


「だから、このガントレットは手放さない。金貨五千枚で私が、このマリィ・サリィ・レイニィがエイハブ・ロウから買い取るわ。まぁ、出世払いというか分割とか月々支払いでお願いしたいんだけど」

「ほう。駆け出しの小娘が大きく出やがったな」

「ベテランのおっさんがみみっちいこと言うからね」

「だが、俺がこんな反論したらどうするよ? お前さんを斬ってガントレットを奪った方が手っ取り早いし、俺の取り分は二倍になるってな」

「……だったら二倍払う。ファラミィ金貨で一万枚。もちろん月々分割だけど、エイハブだって使い切れないほどの大金を一気にもらうより、毎月安定した金額が懐に入ってくる方が良いでしょ?」

「そりゃそうだ。だが、お前さんが支払いを踏み倒さないって確証は無いよな?」

「逃げないってば。仮に逃げたとしても、私は冒険者ギルドに登録している正規の冒険者だし、ギルドに依頼を通せば地の果てまで追いかけてくれるわよ。人探しマンサーチャー専門の冒険者だっているんだし」

「分かった分かった。その条件で引き下がることにしよう」


 少女の揺るぎない信念に根負けし、エイハブは舌打ちする。だが、その表情に悔しさは一切ない。浮かんでいるのは感嘆が三割、秘境の珍獣を見るような物珍しさが九割と比較的楽しげだった。

 エイハブはマリィの喉元に指を不躾に突きつけた。


「ったく、その代わりビタ銭一枚たりともマケねえからな。何年かかろうが金貨一万枚を払ってもらうぞ」

「ええ。良いわ。アンタこそ、良い金蔓だと思って私をチヤホヤすることね」


 突きつけられた指を横に払い、マリィは不敵で大胆に笑った。

 内心は冷や汗モノだったし、支払う金の当ても思いつかない。冒険者ギルドの依頼をこなせば稼ぎの当ては無くもないが、今の階級ランクでの報酬金は、たかが知れている。早急に昇級試験ランクアップを受けたいところだが、駆け出しレッドラインから初級冒険者ダブルオレンジに上がるためにも金貨二十枚という受験料が必要だ。

 だが、それでも、数分前までの巨獣人に追われていた時の自分とは違う。今の自分ならば戦うことが出来る。


「でも意外。あっさり納得してくれるのね」

「馬鹿を言え。小娘ガキ相手にゴネるほど耄碌もうろくはしてないつもりさ。それに――」


 懐かしむような眼差しでエイハブは苦笑を浮かべた。


『世界を見たい』と同じこと言ってた奴を思い出しただけさ」

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灰降る大地に響け、この鼓動 芳川南海 @ryokuhatudoumei

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