第4話「赤ずきん達と通学路」

 「赤信号でち、みんな止まるでち」


赤ずきん達は平和な国でこんな任務もこなしています、登下校の警備である。


「赤ずきんちゃん、おはようございまーす」


「オマエらもっと道から離れるでち、危険でち」


赤ずきん達より小さいランドセル子達が横断歩道前に集まり始めた。


「よっチビずきん、おはよ」


「オマエらもっとまとまって来るでち、警備しにくいでち」


赤ずきん達より大きな高学年の子達もやって来た。


「むむ、何か怪しい奴でち」


何処どこでちか?」


「アイツでち、バス停でタバコ吸ってる派手なスカジャンの後ろのリーマンでち」


「たしかにあんなに普通なリーマン怪しすぎでち、自爆テロかもでち」


赤ずきん達は普通にスーツを着た普通のサラリーマンふうの男を拘束しました。

(リーマンは置き引き犯でした)


「むむ、アイツも怪しいでち」


「近くの公園でベンチに座ってるお婆ちゃんでちか?」


「確かにあのスマホさばき、お婆ちゃんにしては怪しすぎでち、路肩ろかた爆弾ばくだんを爆発させる気に決まってるでち」


赤ずきん達は日向ぼっこをしているふうのお婆ちゃんを拘束しました。

(お婆ちゃんは振り込み詐欺の受け子でした)


「次はアイツが怪しいでち、川向こうのマンションからコッチ見てるオジサンでち」


「あの眼光、スナイパーに決まってるでち」


赤ずきん達はなんだか「ハアハア」言ってるオジサンを拘束しました。

(オジサンは覗き屋でした)



……赤ずきん達は結構役に立ちます。

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みによむ1/2・赤ずきん達の戦場 山岡咲美 @sakumi

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