2024クリスマス
街にジングルベルが鳴り響く頃。我が家でも、サンタさんへのプレゼント発注が行われた。
サンタさんは多忙なので、12月上旬にはプレゼントの希望を伝えなければならない。予算は五千円まで。世界中のこどもにプレゼントを買うのだから、一人にだけ高価なものは買えない。
「友達は一万円以上のプレゼントもらってたよ?」
「へ〜、我が家のサンタさんとは、管轄が違ってやり方が違うのかもね〜」
「僕、VRゴーグルがいい。異世界没入体験したい!」
「それ下手すれば10万円とかするみたいよ!? ちゃんと調べて買った方がいいから、今からだとサンタさんへの注文間に合わないなぁ。来月の誕生日プレゼントにしたら?」
「僕、サンタ信じてない。クリスマスに欲しい」
「妹のためにサンタ信じなさい」
息子は黙って妹を見やる。親子の微妙な会話には気づかず、熱心にサンタへの手紙を書くユヅ。小学1年生のユヅは、まだまだサンタ信望者だ。
「◯◯ちゃん、クリスマスにサンタさんへの手紙を置いてたら無くなってたんだって。やっぱり、サンタさんはいるんだ!」
「そうだね〜」
「●●ちゃんは、サンタさんから英語の手紙もらったんだって!」
「そんなサンタさんもいるんだ〜。ウチとは管轄が違うのかな〜」
母の苦しい誤魔化しにも気づかず、瞳をキラキラさせる娘。
ユヅに免じて、リュウも「任天堂プリペイドカード」という夢の無いプレゼントに落ち着いた😅
そして迎えたクリスマス当日🎅
こども達の動画視聴中に、こっそり連れと打合せ。
「2人へのプレゼントは、クローゼットに隠してるから。ユヅが枕元にサンタへの手紙置いてるから、忘れずに回収してね。サンタへの差し入れのドーナツ、食べていいから」
無言で頷く連れ。
娘のサンタさんへの手紙には、「まいとしプレゼントありがとう。ことしもよろしくね」というメッセージと、可愛い女の子のイラストが添えられていた。
大丈夫、ちゃんとお父サンタとお母サンタに伝わっているよ✨
「サンタさんが来るから寝なきゃいけない! でも眠れない!」と騒ぐ娘を寝かせつけながら寝落ちし、ふと目覚めた深夜。
人の気配に慄いたものの、忍び足で布団に近寄る連れだった。そろそろと娘の手紙を回収し、プレゼントを枕元に置く。娘は、幸せそうに眠っている。
思えば、私がサンタの正体を知ったのは、小6のことだった。
頑なにサンタを信じていた私。クリスマスの朝、目覚めて両親からのプレゼントを受け取りショックだった。けれどベッドの中で、しばらくお母さんが付き添ってくれたのを覚えている。私の幼さを笑いもせず、落ち着くまで見守ってくれた。
あの頃。両親も、密かに枕元に忍び寄り、プレゼントを届けてくれていたのだろうか。
可笑しくて、愛おしい。
娘も、いつかサンタの真実に気づくだろう。
けれど、時が経って思い出して欲しい。滑稽なお父サンタ・お母サンタが、あなたに寄り添っていたことを。
今のこども達へ、かつてのこども達へ。
🎅メリークリスマス✨🎄
★おまけ★
無事サンタさんからのプレゼントを受け取ったユヅ。欲しかったゲームに喜んでいましたが。
「このゲーム、中古って書いてあるよ。どうして中古なのかな?」
バレた!!(;・∀・)
プレゼント買いに行く時間が無くて、近所のお店で買ったら中古しかなくて💦 まだ習ってない漢字のはずなのに、なぜ中古の意味を知ってるんだい?
「あ〜、サンタさん、予算があるから中古品も活用したってことなんじゃないかな〜」
苦しい言い訳をするお母サンタ。それ以上突っ込まない、優しいユヅ。
真実がバレるのも、時間の問題な我が家でした(ノ´∀`*)
★おしらせ★
このエッセイの番外編、リュウの乳幼児期を綴ったエッセイ「療育手紙」の連載を始めました。週1?ペースで更新予定です。
リュウの生誕10周年記念に書きましたが、笑いが一切無いので合う・合わないあるかと思います。興味を持って下さった方は、お立ち寄りください。
✾ さっそく読んでくださった方、どうもありがとうございましたm(_ _)m ✾
「療育手帳」
https://kakuyomu.jp/works/1177354054892444544/episodes/1177354054892444624
〈感謝!7000PV〉日々是笑日 ~子育て問わず語り~ プラナリア @planaria
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