もう1人の俺と7人の美少女との間で板挟みな件について

@orsm_1945

序章

それは、どこまでも続く白い空間だった。

いくら歩いても、歩いても、その空間の端に辿り着くことはない。白い空間には俺以外の人も、物もなく無機質で、違和感を覚えた。


この空間に来てからどれほど時がたっただろうか。

瞬きをひとつした隙に、「奴」は現れた。


━━━━「よぉ、『俺』。今日も相変わらず冴えねぇ面してんなぁ。」

「奴」は鋭い眼で俺を射抜きながら言った。

その風体は別段奇抜ではないが、没個性でもない。1度目にすれば十分焼き付くだろう。


「奴」に俺は返した。

「お前に比べればそうなのかもな。」


「奴」は紛いもなく俺だったが、「俺」ではなかった。

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