第2羽 飛び立つ勇気


数学の授業中、まあ何かやられるとは思っていたが

ここまで公にやってくるとは思って無かったのですごくびっくりした


数学の授業、うちでは毎回毎回

簡単な小テストがある

それも成績に関係するので手は抜けないのだが

隣からすごく視線を感じる

そして、その視線にちらっと見たら

いきなり


「先生!鳥華さんがカンニングしてます!」


と言いながら立ち上がった

「!?!?」

私はカンニングなんかは当たり前だけどしていない

まさかこんな形でやってくるとは....。

成績に影響するからやめてほしい


「鳥華!本当か!」


この教師阿呆かな...一般的に考えて聞かれて

「はいそうです」って答える阿呆は居ないだろう

それを踏まえて、私の返答はもちろん

「違いますよ」


「衰深さんの勘違いじゃないですか?」


衰深すいみ かな

なんてかわいそうな名前なのだろう

この名前を受理した公務員も公務員か....


「いえ!絶対に見てきました!私が消しゴム落としちゃって手を上げようとしたら

  鳥華さんがこちらを見ているのが見えたんです!」


は.....?こいつは詰めが甘すぎるな

これに対し教師は

「そうかあ.....鳥華がそういうことをする生徒ではないとおもうのだがなあ」

そうですよ優等生な鳥華さんはソンなことしません

そして衰深さんの点数めっちゃわるいじゃないですかやだー


これ私がいじめられてるみたいなノリじゃないよなあ

だってきにしてないんだよなあ

衰深さんはまだ何か言っている

私はイラついてきたので静かな声で


「衰深さん」


彼女の名を呼ぶ

これで私のことを鷹見くんも避けるでしょう

彼女はビクッと体を震わせた

これをやってしまったらさらに孤独になる+目立ってしまう

かなり勇気がいるなあ.....。


「あなたは消しゴムを落としたと言いました。

 床には消しゴムがありません。あなたの机にもありません

 そしてあなたの筆箱はチャックが閉まっています  

 拾った、それか落ちた、消しゴムはどこへ行ったのですか?」


うっすらと笑みを浮かべながら言ってみる

彼女の逃げ道は完璧に絶ったはずだ

「それは.....。」

彼女は困ったような顔をしながら

友達に視線をむけていた


「ッ.......フッ.....ヒック」


急にそんなしゃくり上げる声が聞えた

「は??」


私は は?? と心から出てしまったので

バッと口を手で塞ぐ

しゃくりあげながら彼女は続ける


「ヒッ....ウウ.....なんっで、ソンな嘘言うのぉ...」

いつの間に開けたのか筆箱から消しゴムが出てきていた

そして彼女の取り巻きが

(泣いちゃったじゃん!)

みたいに騒ぎ立てる

痛い子だなあ......

はあ、、、しょうがないな



「先生、とりあえず、授業しませんか?」

!?

自分でもなんでこんなこと言ったのかわからない

流れをぶった切る勇気なんて何時もは持ち合わせていないのに

今日は何かがおかしい

自分の歯車が崩れていくのが愛想笑いの裏に見えた

なぜこんな勇気を出したのだろう








これが私の狂った

飛び立つ勇気


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鳥たちは 來住 偲 @akayuki

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