主人公は不思議な国のアリス。でもこの物語の主人公はただのアリスではありません。ポケットからトランプを取り出し一瞬でトランプの兵隊たちを召喚し、巨大な処刑斧を片手で軽々とふるう。全てのアリスの物語シリーズが統合された――最強の"異世界アリス"です!!
『薔薇が咲くのに首から下はいらないわ』
ゆうに100を超えるゴブリン(ドライアド寄生体)のボスである"赤薔薇のドライアド"相手に、巨大な処刑人の大斧を片手で振るい軽く首を刎ねる。
『鬼、赦すまじ……すべからく、滅ぶべし!』
アリスの戦友の"桃太郎"はゴブリンを見るやいなや自身の物語の"子鬼"を思い出し血潮に酔う狂戦士バーサーカー以上に激しい咆哮をあげ、並み居るゴブリンの群れを殺戮します。この桃太郎の狂戦士っぷりもカッコいいです!
敵キャラの中で私が特に好きなのは、"ドライアドに寄生されたゴブリン"です。美しくもグロテスクで、そして戦う相手としてワクワクせざる負えないモンスターです!
『背丈は四、五歳ほどの幼子と同じくらいだが、顔面は死の川を渡る寸前の朦朧とする老人に似ていた。指は四本。暖炉の中の煤けた木炭を連想させる黒い肌。ゴブリンは皆――眼球を失っていた。正確には眼球から大輪の赤薔薇が咲き誇っていた』
異世界ファンタジー世界が好きな方がワクワクする要素としての変異迷宮(ダンジョン)、魔核(コア)、狩猟管理組合(ギルド)なども存在しておりますので、ファンタジー好きな方なら楽しめること間違いなしです!
設定、表現、展開、全てにおいてとても魅力的な作品です。
あっという間に世界に引き込まれてしまい、いつの間にか読み終わっています。
キャラクターの組み合わせが面白いです。
“アリス”と“桃太郎”が話すだけでも魅力を感じますが、会話のテンポや内容が良くて、もっと魅力を感じます。
アリスの言葉使いはお嬢様風で、桃太郎は古風な日本語。異文化が混ざっているのに、なんの違和感も感じず、馴染みます。
2人とも、譲れない軸というものがあって、そこにも魅力があります。
展開も素晴らしいです。
最初は丁寧に世界観を説明していて、段々と深く掘っていく感じなので、わかりやすく置いていかれることもありません。
ハラハラとほのぼのをうまく切り替えているので、疲れることもなく、純粋に読書を、この作品を楽しめます。
表現も、丁寧かつ独特的で、異色な作品の魅力を存分に引き出しています。
この表現力があるからこそ、この作品は面白くなっていると言っても過言ではないと思います。
転生ものの異世界ファンタジーに飽きたそこの貴方、この作品を読みましょう。
異世界転生を扱った小説のなかで、個人的におもしろい作品に出会ったことがなかったのですが、こんなに挑戦的な異世界転生があるなんて!
目からウロコです!!!
自分の世界がいかに狭かったかということを思い知らされました
元ネタに関して、知ってるようで知らないので……私には分からないところが多いかとは思うのですが、それにしても、どうしてこんな発想ができるのだろうと、斬新さに驚くばかり……
しかも、語彙が恐ろしく華麗。
イメージも、字面の見た目も、音も、私好みすぎて、一気読みしてしまいました。
初めて朗読したい作品に出会ったかもしれません!
なろう系を意識されて書かれた、挑戦的な意欲作だと思います。
揶揄する前に、こちらをお読みになってみてはいかがでしょうか!?
とっても強くて時にお茶目で蠱惑的、最高にキュートなリトルレディ「不思議の国のアリス」とハイパー頼れる武士系お子様紳士「桃太郎」の二人が、作者という名の神様によって異世界に落とされた⁈
童話や民話、とにもかくにもそう言ったものがお好きな方は是非に読んでみることをお勧めします!
暇を持て余した神様によって度々しっちゃかめっちゃかな童話ワールドに放り込まれていたアリスと桃太郎ですが、今回落とされた世界は何やら今までと全く様子が違う…?
訝しがるも、強く真っ直ぐなブレない芯を持つ彼女たちが目指すものは今回とて同じ。
それは物語の幸せな結末、「めでたしめでたし」!
二人の小さな無双ヒーローが織りなす異世界転移奇譚、ぜひぜひにご一読をば!