第93話

 翌朝、二人で朝食の準備

 ベーコンエッグにサラダとリツはパン、私はお米。

 卵は半熟で醤油だよね?リツはケチャップだって言い張る。


「さあ、最初から話してくれる?」


 リツはコーヒー私にはカフェオレ。キスチョコも用意して、リツはクッションを抱きかかえた。


 私は、夫が突然やって来て泣いていたこと、恋人の病状が思わしくなかったこと、カミングアウトがあったことなど、質問に答えながら真摯な態度で説明した。



「今は落ち着いて、穏やかに過ごせているみたいよ」


「そうか、良かった」


 キスチョコを一つ食べて、リツが言った。


「ねぇ」


「なに?」


「旦那さんと過ごした数日間は、楽しかった?」


 確かに新鮮ではあった。


「そうね、料理なんてしなかったのに、カレーの作り方教えてなんて言っちゃって、恋すると変わるわよね」


「ナニそれ、一緒に料理したの?」


「うん」


「なんかヤケる」


「恋人はカレーが大好物なんだって、すごく幸せそうに笑うのよ!ちょっとヤケた」


「なんでヤケるんだよ!」


「リツだって、なんでヤケるのよ」


「それとこれとは違うだろ?」


「そうかな?」


 私はリツの隣に座って、キスチョコをひとつ口に入れた。


「俺もココさんのカレー好き」


「じゃあ、お昼はカレーにしようか」


「カレーには福神漬け?」


「らっきょでしょ?」





 今日も幸せに過ごせる事に感謝しよう。

 明日も平和であるように祈ろう。






 end

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