第3話 走馬燈で真っ先に思い出すのそこぉ!? どうでもいい記憶の回想からはじまる絶体絶命のシーンを描写してください。

 異世界に転移して、旅をしていて。

 かなり順調にいっていた。しかしうっかり慢心してしまった事から、敵の攻撃をもろに食らった。巨大な狼の前足ですっ飛ばされたんだ。狼の鋭い目が僕を獲物と決めたようだ。

 これは、もうだめかもしれない……


 転移してからの事よりも、転移前の自分が頭を駆け巡った。

 みんな心配したろう。突然姿を消したのだから。別れを言う暇もなく、こちらの世界にやって来てしまった。両親、弟、田舎のじーちゃんばーちゃん。

 あの日の夕飯は手作りハンバーグのはずだった、食べたかった。なぜ転移させたヤツよ、久々の御馳走が待てない!

 来週田舎に帰ったら、新しいスマホを買ってもらえる約束だった。欲しい機種まで決めてたのに、なぜ転移させたやつよ、それが待てない!

 弟は……、僕より先に彼女が出来たんだよな。ここはいい、置いといて。


 更にあの日は大事な会合があり、急いで友達の家に行こうと思っていたんだ。突然光が地面から吹き溢れ、目を開くと別の場所に居た。僕は狼狽したさ。

 そう、あの時……! 好きだったアイドルのヘアヌード写真集を手に入れた友人と、読み合う会を開く筈だったんだ……! 僕はコミケで長蛇の列ができる大手サークルさんが発行した激エロの薄い本を持ち、もう一人がプロの声優が作ったアダルトな二次創作を持ち寄り。


 な、ぜ!! せめてこの会が終わるまで待てなかったんだ~!!!


 銀の毛をした巨大なフェンリル狼の牙が、今まさに俺を噛み殺そうと迫っている。しかしそうだ、俺はここで負けられないんだ……!

 剣を握る手に力をこめた。


 負けられない、あの写真集を見るまでは!!!

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シチュエーション大喜利2 神泉せい @niyaz

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