第9話

次の日の朝

体はすっと軽くなっていた。

今日は学校に行くしかない、

そしてこの心もやもやをなくしたい。

ベットから勢いよく立ち上がり、

僕はいつも通りに身支度をして学校へ向かった。

昨日、彼は僕が寝た後、すっと帰ったのだろう。

彼は優しい人間だ。

でも、やさしさは続かない。それを僕は知っている。

学校へ着くと、いつも通りわいわい騒いでる教室かと思っていたが、

今日は一段と静かだった。まあ、少しは騒いでいるが。

それでも、いつも通りではなかった。

僕は疑問に思いつつも教室に入った。

そこには、いつも中原を取り巻く奴らはいなくなっていた。

代わりに彼女が中原の隣で笑っていた。

そしてその光景を見て、僕の心がウジ虫が湧いたようにぞっと鼓動を鳴らす。

僕に気づいたのか、華原がこっちにこいよっていう手招きをしてくる。

その様子を見ている周りの女子達、男子らはひそひそと何か話し始めた。

僕にはその声は聞こえなかった。僕の鼓動だけが僕の耳に語りかけている。

中原の前に立つと、中原はニコッと笑い、

「昨日、席替えしたんだよ。」

と僕に嬉しそうに話した。

ああ、そういうことか、すべてが結びついたように納得した。

そして彼女は、また中原と僕が話す様子をにこにことみている、。

彼女もまた嬉しそうであった。

「あ、お前の席は上原さんの前だぞ」

僕の心臓はびっくりするくらいどきっと飛び跳ねた。

「そ、そうか」

動揺がばれないよう、できるだけ単調に返答した。

席に座ると、つんつんと背中に指でつつかれたような感覚があり振り返る、

「よろしくね。」

彼女は、ぱあっと笑い白い歯をちらっとのぞかせる。



ああ、。つまらないものほど欲しくなる。

偽物でもいい。君との関係が欲しい。

一瞬でも、君を彼から奪いたい。

奪いたいんだ、。




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好きになったのは、君でした。 個性 @sakura8794

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