第8話 武器

「さて、ハルキ。あなた専用に武器を作ったわ。」

と、シダレがどこからか刀と弓を出した。

「え……これって……」

「ハルキは、前の世界で―ええと……」

「剣道と弓道ですか?」

「そう!それ!やってたでしょ?だからこの武器にしたの。」

はい、と渡された刀と弓を見た。

手に持った感覚。刀は軽い。弓は持ち手がしっかりしていて、慣れるのも楽そうだ。

「武器の説明だけど―まずは刀の方から。その刀は、遊刀ゆうとう舞桜まいざくら。」

「なっ―!!遊刀だと!?」

遊刀と聞いてとても驚くホノエール。

「あの……遊刀ってなんですか?」

「遊刀は…数ある特殊な刀の中で1番やばい刀なんだ。そもそも刀自体特殊なんだが……。この刀1本で国が動くぞ。最悪、権利を求めて戦争が始まるかもしれない……」

「そ、そんなに貴重な……」

「いいか、ハルキ。他人にこの刀のことを言うなよ。お前の命も危ない。」

「分かりました……」

やばいものを貰ったな。

これからどうなることやら……

「で、属性だけど―炎、水、風、光、闇、聖、呪なんだけど……」

「?」

「遊刀は全部属性が当てはまらない、オリジナルの属性があるんだ。」

「オ、オリジナル!?」

「うん。舞桜は桜属性。桜魔法みたいなものも使える。」

「桜……魔法?」

まったく思い浮かばない。どんなのが桜魔法なのか。さっぱりだ。

「あと、特性があるの。かなり条件が難しいかもしれないけど、使い慣れれば楽になるよ」

「ちなみに―この刀の特性は…?」

「感情と魔力の変化による強弱化。」

強弱化、か。弱くなる時があるのか……?

「感情の方は、普通の時は変わらないけど―怒りになったときは自身のステータスが全て強化されて、刀の切れ味も良くなる。でも悲しみや鬱が強いと、逆に弱くなる。」

「なるほど……」

「もう1つ、魔力について。魔力があると何もないけど―なければないほど強くなる。それだけ」

「魔力の方では弱くならないだね」

「まぁ、そうだね」

なるほど……。

「軽く素振りしてもいいか?」

「え?す、素振りですか?別にいいけど……」

そして、1回軽く振った。

ブン、と風を切る音が凄かった。

「使いやすいね。で、この弓は?」

「これは爛漫咲らんまんざき・桜です。特に何も無いけど、矢がなくても使えます。」

ん……?使

「試しに使ってみるといいですよ。何となくわかるはずです。試しにこれでも狙ってみてください」と、的らしきもの出された。

ということで、俺は昔やっていたように弓を引き、的に向かって狙いをつけ―離れを出した。すると、ヒュン―と耳元で音が鳴った。

途端、用意されていた的が物凄い音と共に砕け散った。

「なんて威力なんや……」

さすがにこの威力には驚きを隠せないホノエール。そして、

「まぁでも、隙が多すぎやな。メンバーを組めば弓は使えるようになるで。でも、ソロでやるときは刀をオススメする。」

とアドバイスまでしてくれた。

なんだかんだ言って優しい神様であった。


「さて、ハルキ。最後にだけど―」

「まだ何か言ってないことあったっけ?」

「ス、ステータスのことについてまだ説明してなかったよね……?」

「……?あ、ほんとだ。」

自分でもさっぱり忘れていた。

「ハルキには鑑定スキルを付けておいたから、鑑定を使えば自分のステータスと、他人のステータスを見れるよ」

「なるほど」

どういう感じかよくわからないけど―

とりあえずステータスオープンと心の中で言ってみた。

すると目の前に文字や数字がたくさん出てきた。


ハルキ(男) 16歳

Lv.1

HP-300 MP-4000

『多種言語 Lv.1』

『使役 Lv.2』

『強奪 Lv.1』

『弓使い Lv.10』

『魔法 Lv.10』

『特殊 Lv.5』

『刀使い Lv.8』

『収納 Lv.10』

『状態変化 Lv.2』

『全耐性 Lv.1』

夜目やめ

『罠』

『鑑定 Lv.10』


……。

自分のレベルが1の割にはスキルありすぎじゃないか……?

それと、多分スキルの横に書いてあったのはそのスキルレベルだし。レベル10が4つもある。それと、あんまりよくないスキルとかあるし。なんか、実感湧かないなぁ……。

ていうか、シダレがこのステータスにしたんだよな?チートにしすぎだろ……。

「シダレ…かなりやばくない?」

「え?普通だと思うけど……。ホノ、ちょっと見てくれない?」

「ん。―――って、お前一般常識分かってるのか?」

「え?えぇと……それは…」

「このステータスはチートすぎる。下手したらどっかの神より強いで。」

「「え……」」

俺とシダレの声が重なった。

「まぁ、戦うのが楽しみだよ」

ふふふ―と笑うホノエール。

「シダレ、もしかしてだけどさ」

「うん」

「ホノエール様って戦闘狂?」

「うん。手が負えないほどね!」

めっちゃ笑顔で言うやん…。

「ということでハルキ。ホノにぎゃふんと言わせてくれない?」

「俺が神様に勝てるとでも?」

「頑張れ」

「いやいやいや…無茶振りすぎるでしょ」

「大丈夫だよー。舞桜と爛漫咲があるんだから。」

「えぇ……」


なんだかんだ言って数時間話していた。

空が赤い。

「もう遅いし、明日にしよか。」

「わかったよ」

「じゃあ私は一旦海に帰るで。やりたいこともあるし」

「やりたいことって?」

「秘密だよ。」

「じゃあ、また明日に。」

「ん。」

そう言ってホノエールは海に帰った。

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鬼才の転生 クオーツ @origamihiroya

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