キャラクターとエピソードが魅力的な作品です。
いきいきと会話をし、迷う姿もぶつかる姿もリアリティがあります。
本当に彼らは目の前で動いていると錯覚するくらいに。
「ポンコツ言うな!」
という王女・リリィのセリフ、私大好きです。
『童話を創るため、記憶を奪う』
この設定も斬新で、しかし的を得ていると思います。
幾千幾万もの人生があり、それをもとに物語を創るのは、“マンネリ”を防ぎ、一つ一つに輝きを持たせられるはずなのです。
旅のエピソードも一つ一つが素敵で、そして考えさせられ、心に残ります。
童話命の王女・リリィと口が悪いヴェルト。
彼らの旅路を一緒に見届けましょう!
童話と旅、そして思い出という名の記憶。
タイトルとは違い、予想外に引き込まれる展開と読みやすさにびっくりしました。
自堕落な王女リリィは、童話が大好きでゴロゴロと最低限の責務を果たしながら、日常を過ごしていた。
しかし、そんな日常は終わりを告げる。
湖の村からきた旅人ヴェルト。
なんでも彼の故郷、湖の村を童話の国の庇護下に置いてほしいということらしい。
ただし、とある条件を提示するのだが、この取引の代償がとんでもないことであった。
ひょんなことから、ヴェルトと共に旅に出ることになる自堕落ですが読者を笑いに誘うリリィとかっこいい頼りになる青年ヴェルトと織りなす、記憶を〇〇する物語。
彼らの運命は、どうなるのでしょうか?
あなたもきっと、この童話の物語。
虜になること間違いなし!
是非、ご覧下さい!
タイトルを見ると童話?などと思ってしまいますが、中身は立派な異世界ファンタジーになっています。
少々自堕落気味の王女はなぜか憎めず、旅人は重い責務に腹を括り旅を始めますが、とてもほのぼのと描かれています。
ほのぼのだけではなく、過酷な責務をこなす必要もあり、ほろっとする場面も。
ですが、旅人の責務の重さを王女が知る事で、少しずつ王女もまた成長していく、そんな少し温もりのある物語になっています。
個性的な王女に普段は飄々とした旅人、そして面白おかしな魔法具の旅。
読んで損は無いかと思います。
万人向けの内容なので誰にでもお勧めできます!