第12話 告白の返事
あのようなことがあったのに、今ではもう過去のこと。
俺たちは2年、柚木さんは3年となった。
「もう、遅いです! こんなに待たせるなんて、もう6時間ですよ!」
朝の1時から雅人を待っているヤンデレ少女。
「そりゃ来ないよ。私は受験勉強と小説で忙しいから、雅人君にメールを送りたい衝動で目が充血してるし。はぁ~」
ため息をつくのは、受験勉強に勤しむメンヘラ少女。
「お待たせ、今日の放課後の部活する?」
どうするか聞くと、二人同時に言ってきた。
「「もちろんやるわ!」」
元気に返事し、授業が始まりそうになりダッシュで学校へと向かう。
「そういえば、告白の返事どうしよう」
柚木さんが卒業する前に伝えておかないといけない。
なので、今日二人に告白の返事をする。
「でも決まってないんだよなぁ!授業中に考えよう」
けれども、悩みは解決されず放課後になってしまう。
「やばい、どうしよう」
(そもそも、問題は解決したはずなのに、メンヘラとヤンデレの症状治ってねえし)
今更なことを言いながら、部室へと行く。
「お疲れ様です」
挨拶をして、ソファーに座る。
「「お疲れ様。」」
二人同時にまた挨拶してくる。
すると、すごい勢いで二人とも迫ってくる。
「「で!? どっちと付き合うの!」」
二人共迫ってくる。
ソファから落ちそうだった。
「柚木はメンヘラだけど、可愛いところもあるし、小説に対する情熱は人一倍伝わってくる。メンヘラだけど」
柚木は嬉しそうな顔をする。
「桜はヤンデレだけど、守ってあげたくなる時や笑顔が可愛いから魅力的だ。ヤンデレだけど」
贅沢な悩みであるが迷う。
しかし、過去の出来事がどうしても思い出して怖くなってしまう雅人は情けない言葉を告げた。
「やっぱり、どっちも嫌だーーーーーーー!」
ありえない返事が帰ってきた二人は叫びながら逃げる雅人を追いかける。
「「逃がすかーーーーーーーー!!」」
後ろを振り返ると笑い合いながら追いかけてくる、2人の訳有少女。
俺は小説のように未来の展開を想像しながら考える。
もうもしかしたら、答えが出ているのかもしれない。
二人のうち、
どちらかの彼女と結ばれる未来を……。
メンヘラとヤンデレ、どちらがお好みですか? 歩く屍 @fb25hii
★で称える
この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。
カクヨムを、もっと楽しもう
カクヨムにユーザー登録すると、この小説を他の読者へ★やレビューでおすすめできます。気になる小説や作者の更新チェックに便利なフォロー機能もお試しください。
新規ユーザー登録(無料)簡単に登録できます
この小説のタグ
関連小説
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます