月の船

姫亜樹(きあき)

月の船

鋭く尖った三日月に

足をとどめられて

ぼくは一人呆けている

凛とした冬の寒さが心を清め

ぼくは月の船に乗る


真っ暗闇の中

浮かぶ家々のあかり

孤独を呼び

ぼくは思わず天空を見つめる


そこには

星々が静かに

ぼくを見守っていた

無数の星の声なき言葉に

心傾けていると

懐かしさと愛おしさが

込み上げてくる


「ぼくは一人じゃない」


見渡すと

月の船には大勢のぼくが乗り

明日へ向かって飛び立ってゆく

オレンジ色に輝く太陽を目指して

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月の船 姫亜樹(きあき) @Bungo-2432Da

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